日本の山間にある寺で飼われていた秋田犬の子犬がアメリカへ送り出された。
駅から空港へ、そして空を飛んだ後にまた駅へという長い旅だった。
ようやくベッドリッジ駅へとたどり着いた子犬だったが、
荷物として運ばれてくるうちに荷札が千切れて行き先が不明になっていた。
駅で迷子になっていた子犬は、たまたま列車を降りてきた大学教授パーカー(リチャード・ギア)と出会う。
そして、その日から子犬はパーカーを主人として信頼するようになっていった…
秋田犬の“HACHI”はとってもいい子でした~
春に観た「マーリー」はやたらと騒いで愛嬌を振りまく犬でしたけど、
今度の主人公「HACHI」はなんとも無愛想です。
いつも“むすっとしている”というような顔つきで、ひたすら主人のパーカーを見つめています。
ボールを投げても取りにいかないし、表情も乏しいかも知れません。
でも、帰宅時間になると駅で待っていてくれます。
「HACHI」は表面上では愛想が無い分、
心の中では主人に対して一途な想いを持ち続けているのです。
イメージ的にもこれこそが秋田犬だなあと思いながら観ていました。
ストーリーもう分かっているのですけど、HACHIの一途さはやっぱり泣けてきますね~
ただひたすらじっと待ち続けるなんて、きっと犬にしか出来ない技です。
そして、そんな犬の物語を犬の視線を入れながら綴っていくところが面白かったです。
HACHIの視線の先にはいつもパーカーの元へと続く道が見えています。
例え姿は見えなくても、その先にはきっとパーカーがいるのです。
犬の低い視線の中で見える世界と主人の姿は
本当にHACHIの心そのものだなあと思いながら観ていました。
それにしても、今回の主人公は何と言ってもHACHIですね~
HACHIの純粋さにはどんな人間でも絆されてしまいます。
人々はひたすら駅前でパーカーを待ち続けるHACHIを温かく見守っていきます。
映画の中では、さあ泣け~というようなシーンは無いですけど
観ているうちに心がぽっと温かくなるような気がしました。
優しい物語をシンプルに見つめた視線がいいなあと感じた1本です。
監督:ラッセ・ハルストレム 出演:リチャード・ギア ジョーン・アレン ケイリー=ヒロユキ・タガワ ジェイソン・アレクサンダー エリック・アヴァリ
2008年 アメリカ 原題:Hachiko: A Dog's Story
(20090722)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は8月8日以降の予定です。