横浜に住んでいる小学校3年生の大志(武井証)は父(阿部サダヲ)と二人暮し。
母(鈴木京香)はデザイナーの勉強をしにパリへ留学中で、
大志は毎週パリから届く母から手紙を楽しみにしていた。
ある日、古いアルバムを眺めていた大志は、最近届いた手紙に入っていたパリの写真が
その古いアルバムから剥がされたものだと気付く。
疑問に思った大志が謎を探るために父のクローゼットを探していると、
母が撮ったという風景写真の入った手紙を見つけることが出来た。
その風景が小豆島ということを探り当てた大志は、父に内緒で小豆島まで母を訪ねることにした…
母の愛を真っ直ぐに信じる少年の心はとてもとても強かったです(T_T)
母の思い出をほとんど持っていない少年・大志。
彼にとって母とは、写真と毎週届く手紙だけです。
母が元気なのは嬉しいけれど、でもやっぱり母に会いたい…と想いが募っていたところに、
偶然にも彼はパリにいるはずの母が小豆島にいるのではないかという確信を持ちます。
何故か嘘をついている父に隠したまま、大志はひとり小豆島へ向かう旅に出ました。
小学3年生にとっては横浜から小豆島への道程はとても遠いです。
新幹線に乗って岡山まで行こうとしたのですけど、駅員に見咎められて駅から逃げてしまいます。
途方にくれた大志は様々な人に助けられて旅を続けます。
失恋に悩む運送会社の運転手。
父親が愛人の元へと出て行ってしまった少女。
自殺を図ろうとしていた一人暮らしの老人。
愛を見失っていた彼らに助けられる中で、
大志は逆に彼らに愛を信じることや、愛は身近にあるということを気付かせてくれます。
そして、大志は笑顔で母の元へと向かって行きました。
それにしても、武井証くんには泣かされました~
どちらかというと、ぼーっとした雰囲気を纏っているので油断してしまうのですけど
勝負どころではやってくれます(^^ゞ
関西で出会う少女を演じた梅原真子ちゃんも良かったです。
テンポの良い台詞に随分笑わされました。
そして、何とも名演技だったのは大志と共に旅をするアンを演じた犬です。
どうやっているのだろうと思うくらいいい演技をするいい子でした(^^)
大志の旅の結末は彼にとってとても辛いものでした。
それでも大志は母の愛を感じ取れる強い心を持っていました。
そして、それは母の愛の強さでもありました。
大志が改めて気付いた母へ想いに、最後まで泣かされた~と思った1本です。
監督:河野圭太 出演:武井証 阿部サダヲ 鈴木京香 梅原真子 柄本明 市毛良枝
2009年 日本
(20090811)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は8月22日以降の予定です。