白土三平著の同名コミックを映画化したアクション大作です。
原作を未読のままチャレンジして見ました。
役者さんたちのエネルギーが全面に溢れていて、画面から目が離せないような作品でした。
カムイ(松山ケンイチ)はひたすら旅を続けていた。
どんなに走っても隠れても、忍びの掟による追っては迫って来た。
だが、多くの追忍たちを殺しても尚、カムイは自由を求めて進み続けていた。
そんなある日、カムイは国を治める領主の大切な馬の足を切り取る男・半兵衛(小林薫)を見かける。
その不思議な行動に心を惹かれたカムイは、男が領主の軍勢から逃げるのを手伝った。
上手く逃げおおせた二人は船で半兵衛の住む島へと向かおうとするが、
何故か突然、半兵衛はカムイを船から荒れ狂う海へと落としてしまった…
ひたすらアクションの連続でした~
忍びを抜けようと逃げ続けるカムイと追ってくる一族。
カムイの生きるために逃げたいという強い願望と
掟のために命を賭けて追い続ける一族の執念の対決は凄まじいです。
そして、それを観ている者に伝えてくるアクションの迫力は圧倒的でした。
カムイには生きたいという強い願いがありました。
抜けようとした理由は解りませんけど、彼の前へ進もうとする原動力はその願望だけです。
孤独で人には心を開かず、少女に恋心を打ち明けられても受け入れられないカムイ。
追われ続けている以上、彼はある意味では掟に縛られています。
彼は孤独でいるしかないのです。
でも、彼には使命のためには人の命などものともしない忍たちとは違う、死を悼む心を持っていました。
それにしても、過酷だったという噂のアクションはさすがでした。
本人たちを全く知らない人が観たら、きっと彼らを
アクション俳優だと思うだろうなあというようなシーンが満載でした。
光り輝く青い海をバックに戦い続ける彼らの姿はとても印象的でした。
そして、カムイの心情を体現していた松山ケンイチさんの演技も心に残るものでした。
原作の膨大で重い内容の物語がこの1本で描かれているとは思いませんけれど、
この作品を通してカムイという人に出会うことが出来たと感じた1本です。
監督:崔洋一 出演:松山ケンイチ 小雪 小林薫 伊藤英明 大後寿々花 イーキン・チェン 佐藤浩市
2009年 日本
(20090919)