バイトで食い繋ぎながら目的も無く日々を送っていた伊藤カイジ(藤原竜也)の前に
とある金融会社の社員が現れた。
数年前にカイジが保証人となった知り合いが借金を残したまま夜逃げしたため、
カイジに支払いせよと要求して来たのだ。
今は交流も無いくらいのバイト仲間だし、そんな金は無いとぶつぶつ抵抗する彼に
金融会社の社長(天海祐希)はガキじゃあるまいし!と叱り飛ばす。
そして、このままでは何も出来ぬまま人生が終わってしまうと諭し、
彼に人生のチャンスを与えようとチケットを渡した。
それはゲームに勝てば借金がチャラになる、カイジにとっては夢のようなクルージングのはずだった…
闇の中にはとてつもなく嫌な世界が待っていました(T_T)
とにかく裏切りと欲望の世界が広がっています。
借金に縛られている貧乏人と、金が有り余っている金持ち。
単純に騙される人と、欲望のために騙すことを悪と思わない人。
明らかに人の心の弱点を突いて忍び寄る罠に、カイジはどんどん落ちて行きます。
そして、奴隷のように果てしない重労働に従事し始めた彼は
少しずつ自由に生きることへの渇望を感じ始めました。
地底からの脱出を試みた彼は、命がけの試練に挑みます。
そこで生まれた友情と信頼の絆は彼をさらに強く前進させてくれました。
その一方で、その命がけの試練が金持ちたちを楽しませる余興になっているというのはキツイですね~
これはコミックの世界を映画化したからだけではなく、きっとこの世界のどこかには
そんなふうに笑っている金持ちたちがいるのかなあと思うと胸が苦しくなりそうでした(T_T)
それにしても、役者さんが揃っているのは観ていて楽しいですね。
暗い物語の分、演技がオーバー気味になっていて、沈みそうな気持ちをちょっと和らげてくれました。
特に天海祐希さんのなんとなくおちゃめな雰囲気と、
香川照之さんの眼力ある表情は、真剣なだけにちょっと可笑しかったです(^^ゞ
あと、ハードな役でしたけど松山ケンイチさんが思ったよりも長く出ていて、迫力ある演技を見せてくれました。
有り得なさそうで有りそうというのは怖いなあとしみじみ思いました。
観終わった時、やっぱり小さなため息をついてしまった1本です(^^ゞ
監督:佐藤東弥 出演:藤原竜也 天海祐希 香川照之 光石研 松山ケンイチ 山本太郎 松尾スズキ
2009年 日本
(20090925)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は10月10日以降の予定です。