FM局の番組パーソナリティーを担当している久保田真生(常盤貴子)は
番組中にリスナーから届いたハガキを読んで質問に答えていた。
恋の悩みに彼女なりの解決方法を話して次のハガキへと進んだところ、
函館の高校生・速見直樹(林遣都)から届いた
祖父と父の関係が悪いという悩みに答えられず絶句してしまう。
苦し紛れに、祖父が笑わなくなってしまったのなら笑わせれば良いと言って
リスナーたちから“お祖父ちゃんを笑わせる方法”の募集をすると言いながら番組を終えた。
だが、彼女の心は浮かないままだった。彼女自身も父と仲違いしたままだったのだ。
そして、今日はその父の四十九日だった…
祖父役の仲代達矢さんの演技に泣かされました(T_T)
仲違いしたまま父を亡くしてしまったラジオ・パーソナリティの真生。
祖父と父の上手く行かない仲に心を痛めている高校生の直樹。
心配している直樹にもキツイ言葉しか言えない不器用で頑固な直樹の祖父・恭三(仲代達矢)と
父親を心配しつつも、話し合いにもならない関係に諦めの境地になっている直樹の父(豊原功補)。
恋人への連絡を絶ったまま、一人で臨月を迎えようとしている妊婦の由梨(中島知子)と
そんな由梨を心配しながらも優しく付き添っている母(八千草薫)。
父の願うように生きて来たが、愛する人との結婚を反対されて苦悩する若い医師(竹財輝之助)。
家族を残して単身赴任で働いているが、道もナビの操作も覚えられないタクシードライバー(岩尾望)。
そんな彼らのエピソードはそれぞれが切なかったです。
特に真生と父のエピソードと、過去に囚われて哀しみを背負ったまま生きて来た
直樹の祖父・恭三のエピソードには泣かされました~
ラジオ局への夢を諦めて帰郷した真生に冷たい態度を取った父と、その父が許せなかった娘。
そんな真生の前に父が生前に書いたまま投函されなかった彼女宛の手紙が現れます。
でも、彼女はなかなかその手紙を読むことが出来ません。
また、漁師である直樹の祖父・恭三は、転勤のために函館を去ろうとしている息子に
一緒に札幌へ行こうと誘われても頑として拒否します。
40年前のある出来事から、彼の心は閉じられてしまったのです。
人の言葉に聴く耳を持たない恭三の無言の瞳には哀しみの色が滲んでいます。
そんな彼の心も1つの手紙がきっかけで変わっていきました。
それにしても仲代達矢さんの存在感は凄いですね~
彼が画面に出ているだけで、怒りと哀しみが伝わってくるようでした。
正直、中心の二つのエピソードをもっと観たかったので
こんなにエピソードを多くしなくてもと思ったのですけど、
それぞれが心温まる結末だったので、それはそれで良かったです(^^ゞ
観終わった時、優しい物語に触れて自分の心も少しは優しくなれたかなあとちょっと想った1本です。
監督:三城真一 出演:常盤貴子 林遣都 仲代達矢 中島知子 竹財輝之助 豊原功補 岩尾望 本上まなみ 吹越満
2009年 日本
(20091101)