ゴールデンスランバー

伊坂幸太郎著の同名ベストセラー小説を映画化した作品です。
原作は何年か前に読んでいてとても面白かったので、映画も楽しみにしていました。
原作を大切にして丁寧に作られているなあと感じる、見応えのある作品でした☆

宅配ドライバーの青柳（堺雅人）は大学時代の友人森田（吉岡秀隆）に誘われて
休日に釣りに行くことになった。
ばっちり支度をして待ち合わせ場所に着いた青柳に、森田は目を逸らして先へ行こうとする。
そんな森田の態度をちょっと不思議に思いつつも、誘われるままに青柳は彼について行った。
ファーストフード店で軽食を買って車に乗り込むと、森田は車での中で食べ始めた。
ここで食べるの？とまた不審がりながらも、青柳は素直にその場で一緒に食べ始める。
いつの間にか眠り込んだ青柳がふと気付くと、時間はもうお昼。
近くの道路では首相の凱旋パレードが繰り広げられている。
飲み物に薬を入れたのかと冗談で聞いた青柳に、森田はそうだよと真顔で答えた…

とても役者が揃っていて面白かったです(^^)

過去にアイドルを助けたという美談のために宅配ドライバーながら市内では有名人だった青柳。
そんな彼に突然、首相暗殺容疑がかけられます。
身に覚えの無い罪なのに、何故か彼が犯人だと言う証拠映像が次々と挙がってきます。
しかも友人に巧みに誘導されて危うく警察に捕まりそうになり、逃げるはめになってしまいます。
そして彼を陥れようとする警察も世間やマスコミも、みんな彼を追いかけてくるようになりました。
そんな彼に逃げるすべはあるのか。一体彼を陥れようとするものは何なのか。
最後まで目が離せない展開にドキドキでした～

原作は読んでいるので結末も分かっているのですけど
それでも役者さんたちの熱演に引き込まれました。
普段はいい人の青柳が追い詰められてどんどん表情が変わっていく様子など
堺雅人さんの演技はさすがでした。
あと竹内結子さんはもちろんのこと、
青柳を引き込んでしまう友人を演じた吉岡秀隆さんの鬼気迫る演技もさすがでした。
彼の青柳に必死に何かを伝えようとする表情があったからこそ、
青柳の置かれている状況の緊迫感を感じられたのかもと思いました。
途中に大学時代の無邪気なシーンが出てくるだけに、みんな遠いところに来てしまったのだなあと
何だか切なくなってしまいました(^^ゞ

決してハッピーとは言えない展開にリアルさを感じながらも、
こういう現実はありえるのかなあとちょっと怖さを感じながら帰った1本です。



監督：中村義洋　出演：堺雅人　竹内結子　吉岡秀隆　柄本明　濱田岳　貫地谷しほり　香川照之　永島敏行　伊東四朗
2009年　日本
（20100120）

追伸
この映画は試写会で観ました。公開は1月30日以降の予定です。