ハリー・ケイン(ルイス・オマール)は
以前は監督をしていたが、視力を失ってからは脚本家となっていた。
本名はマテオ・ブランコ。だが、14年前に視力を失ってからはマテオ・ブランコではなく
当時から仕事の時に使っていたハリー・ケインを名乗るようになっていた。
彼は一人暮らしをしているが、仕事仲間のプロデューサー、ジュディット(ブランカ・ポルティージョ)と
彼女の息子ディエゴ(タマル・ノバス)が不自由な彼の生活を助けていた。
そんなある日、富豪のエルネスト(ホセ・ルイス・ゴメス)が亡くなったことを新聞で知る。
それから間も無く、ハリーの家に突然、ライ・Xという見知らぬ男が訪ねてきた。
映画監督を目指している彼はハリーと共同で映画の脚本を書きたいと申し込んで来たのだ。
だが、彼の話を聞くと、ハリーは申し込みをきっぱりと断った。
実はハリーには彼の正体が分かったのだ。
それは過去にハリーが喪ったある愛と深い関わりがあった…
ペネロペ・クルスの存在感がとても鮮烈でした~
女優の夢を諦め切れなかった美しい女レナ(ペネロペ・クルス)と彼女を主演女優に選んだ監督ハリー、
そして女優の愛人で彼女を独占しようとした老齢の富豪エルネストが織り成す愛憎の物語です。
女は自由と愛を求め、女を愛した監督は彼女に安らぎと愛を与え、
富豪は女を自分のものにするために彼女の望みを叶えようとします。
そして、富豪は彼女の主演する映画に出資しました。
でも、2年もの間、富豪の目の届くところで暮らしていた女は女優という仕事を持ったことで
忘れていた自由の味を思い出します。
本来の活発さを取り戻した彼女は富豪よりもずっと若い監督との愛を深めていきます。
でも、彼女のことを手放せない富豪は息子を使って彼女を監視し始めます。
それは彼女にとって、人生の破滅の始まりでした(T_T)
それにしてもペネロペ・クルスの存在感は圧倒的ですね~
あの美しさと全身から醸し出されるオーラには、どんな人でもノックアウトされそうです。
レナの求めた愛とその後の展開を考えると、美しさのきらめきが儚く感じられてちょっと切なかったです。
無残に破壊された映画の再生と共にレナの美しさが甦ってくるシーンはじっと画面を見つめていました。
観終わった時、出来ればもっともっと続きを観ていたかったなあと感じた1本です。
監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ペネロペ・クルス ルイス・オマール ホセ・ルイス・ゴメス ブランカ・ポルティージョ ルーベン・オチャンディアーノ
2009年 スペイン 原題:LOS ABRAZOS ROTOS/BROKEN EMBRACES
(20100126)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は2月6日以降の予定です。