孤児として孤児院で育ち、神父となったサンヒョン(ソン・ガンホ)は
人助けをしたいと切望し、伝染病のワクチン開発のための実験台に志願した。
開発途中のワクチンが効かずに伝染病に負けてしまった彼は血を吐きながら死亡する。
だが、死亡宣告の直後、彼は何故か息を吹き返した。
500人の実験台の中で唯一生き残った神父ということで注目の的になってしまった彼は戸惑いを隠せない。
それでも何とか神父としての勤めを果たしながら日々を送っていた。
そんなある日、彼は病院で息子を祈ってくれと願う母親に連れられ、病室へと案内される。
ベッドに寝ていたのは彼の幼馴染ガンウ(シン・ハギュン)だった。
久々の再会に静かな笑顔を見せたサンヒョンは、病室にいた一人の女性に目を留める。
その暗い表情を浮かべている女性は、ガンウの妻のテジュ(キム・オクビン)。
そして、その日からサンヒョンは人妻である彼女のことが忘れられなくなっていた…
ヴァンパイアになった後の豹変ぶりがホラーのようでした(^_^;)
神の教えを説く敬虔な神父だったサンヒョン。
彼は研究所で受けた輸血によってヴァンパイアと化してしまいます。
日光に弱い反面、どんな病気や怪我も治ってしまう身体になった彼は
実は血を欲しがるだけではなく、これまで抑えてきた欲望を止められないようになってしまいました。
幼馴染ガンウの妻テジュは実は幼い頃に親に捨てられた後、ガンウの家で育てられ、
今ではそのままガンウの妻となっています。
彼女はガンウや義母からこき使われる毎日に、疲れ果てていました。
そんな彼女の実情を知ったサンヒョンの気持ちは
自分の身体の変貌に伴って同情から欲望の対象へと変化していきます。
そんなサンヒョンの想いを秘めた視線に、テジュはすぐさま反応します。
そして、ついに二人は結ばれてしまいました(・・;)
そこからは思いもよらなかった怒涛の展開でした~
自制というリミッターが外れてしまった二人は次第に欲望のままに行動し始めます。
根底に宗教という枠を持ち続けていたサンヒョンはともかく
テジュの方は獣のように自由奔放になってしまいます。
元来、子供の頃から精神的に抑圧されていた彼女には、心を自由に放つことに罪の意識など持ちません。
そして、二人の未来はサンヒョンの希望とはかけ離れていきました。
それにしても、主演の二人が凄かったです~
ソン・ガンホの演技の上手さは折り紙つきですけど、今回は10キロも減量して役になりきっていました。
ヒロイン役キム・オクビンの存在感もインパクトがありました~
特に薄幸の妻から自由を手にしたヴァンパイアへの変貌は、どんどん華やかで美しくなっていって
同じ人かと思うほどでした。
自分の欲望のままに、そして自分の保身のためならどんなこともするという悪女とも言える役を
彼女がしっかりと演じたからこそ、成り立つ作品かも知れないなあと感じました。
試写会の帰り道、誰かが「面白かったけど簡単には人に薦められないな」と言うのを聞いて
そうだなあと感じました(^^ゞ
韓流ドロドロ作品がOKな人ならお勧めの1本です。
監督:パク・チャヌク 出演:ソン・ガンホ キム・オクビン シン・ハギュン キム・ヘスク オ・ダルス パク・イナン ソン・ヨンチャン
2009年 韓国 原題:THIRST
(20100219)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は2月27日以降の予定です。