ライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)はリストラ宣告人として毎日、アメリカ中を飛び回っている。
1年のうち300日以上が出張で、家にはほとんど帰ることが無い。
伴侶も子供も自分の人生には必要ないと笑顔で言い切る彼にとっては
飛行場と飛行機が我が家のようなものだった。
だが、そんなある日、社長から一旦会社へ顔を出すようにと連絡が入る。
集められた仲間たちと何事かと待ち構えていたところ、
社長が一人の新卒女子社員ナタリー(アナ・ケンドリック)を紹介した。
会社にとって画期的な改革案を彼女が提案したと言うのだ。
それはわざわざ出張して直接リストラを言い渡すのではなく、テレビ会議のように
ネットで相手と面接するというものだった。
出張経費が削減できると社長は大喜びをしていたが、ライアンは
リストラの苦痛を和らげるには、直接相手と話すのが最良だとその提案に反対する。
だが、社長はうんと言わない。
そして、ナタリーに実情を教えるために面倒をみろとライアンに言ってきた…
この主人公が似合うのはやっぱりジョージ・クルーニーでした~
独身生活を楽しみながら出張生活を送っているライアン。
彼は結婚したいと思わず、結局人間が死ぬときは一人みたいな考えを持っています。
家庭が無くてもへいちゃらな彼は今の生活にとても満足しています。
そして目標を目指してマイルをどんどん貯め続けていました。
そんなジョージが少しずつ変わっていきます。
まずは妹の結婚式、そしてもうひとつは自分のやっている仕事を変えようとするナタリーや
恋人アレックス・ゴーラン(ヴェラ・ファーミガ)の出現です。
特に自分と似た考え方を持っている女性アレックスには、彼の心は大きく揺り動かされます。
そして、仕事の変化と共に、彼の人生とは何かを考えさせていきました。
それにしても、この役にはやっぱりジョージ・クルーニーですね。
独身貴族を楽しそうに生きている様子や、リストラの対象者を上手く導いてしまう芸達者なところなどは
軽快な演技の似合う彼にぴったりでした。
そして、若くて自分の望む理想を目指そうとするナタリーを演じたアナ・ケンドリックの堅物ぶりや
アレックスを演じたヴェラ・ファーミガの大人の女性の美しさとしたたかさも良かったです。
次々と映し出されるリストラ対象者たちの言葉が心にしみました。
観終った時、そんなにかばんに詰め込んでも仕方ないからもう少し余裕を持たなくちゃと思うのと同時に、
家族が恋しくなった1本です。
監督:ジェイソン・ライトマン 出演:ジョージ・クルーニー ヴェラ・ファーミガ アナ・ケンドリック ジェイソン・ベイトマン
2009年 アメリカ 原題:UP IN THE AIR
(20100310)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は3月20日以降の予定です。