ピアニストの奏(鈴木京香)は雨の降る都会の街を、難しい顔をしながら小走りに歩いていた。
目的地はコンサートホール。今日はオーケストラによるコンサートが開かれる予定だった。
黒のドレスを身に着けた奏は演奏家たちと共に舞台へと向かった。
だが、彼女の役目は演奏するピアニストのために譜面をめくることだった。
そんな彼女の元に祖母の具合が悪化したという連絡が入った。
急いで電車に乗った彼女が故郷に帰るのは久しぶりのことだった…
四季の風景と女優さんたちの美しさにうっとりしながら観ていました。
1930年代から平成の現代までを描いた作品です。
まずは戦前、父に決められた相手との結婚を前に悩む凜(蒼井優)の物語。
彼女のシーンは春の季節です。モノクロの中でも桜の花と白無垢の花嫁衣裳が美しいです。
そして、自分の意思を持っている彼女の決心とはにかむような可愛い笑顔が印象的でした。
彼女は3人の娘を産みます。
1960~70年代。凜の娘たちはそれぞれ恋愛の末に結婚します。
大学卒業と同時に大学教授と結婚した長女・薫(竹内結子)。
出版社に勤務し、男に負けまいと頑張りながら日々を過ごす次女・翠(田中麗奈)。
幼稚園に通う娘を育てる専業主婦の三女・慧(仲間由紀恵)。
彼女たちは愛や人生に悩みながらも自分の決めた道を歩もうとします。
彼女たちに待ち受けるものは、決して穏やかな人生ではないのですけど、
幸せに満ちた3人の笑顔の美しさは心に残りました。
そして慧は2人の娘を産みます。
現代。慧の娘たちは対称的な人生を歩んでいます。
自分の夢を追って東京でピアニストの道を歩んでいる長女・奏(鈴木京香)。
夫と息子と共に夫の故郷で暮らす次女・佳(広末涼子)。
いつも笑顔の佳に対して、美人で洗練されている奏はいつも疲れたような顔を見せています。
そんな奏が笑顔を無くした理由が明らかになった時、彼女の選んだ道を妹の佳と共に応援したくなりました。
それにしても、本当にスクリーンに映し出される6人がみんな最高に美しく見えました~
こんなに美しく撮られるなんて、きっとこの作品に出演できることは女優として幸せでしょうね(^^ゞ
そして、彼女たちが心を込めて演じている女性たちはみんな昭和から現代までの日本を支えてきた
女性たちの姿なのだなあとしみじみ感じました。
観る前、きっと泣かせる作品だろうなあ、でも泣かないぞと思っていました。
でも、最後には悔しいなあと思う隙も無いほど気持ちよく思いっきり泣かされてしまった1本です。
監督:小泉徳宏 出演:蒼井優 鈴木京香 竹内結子 田中麗奈 仲間由紀恵 広末涼子
2010年 日本
(20100606)
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公式サイトへ追伸
この映画は試写会で観ました。公開は6月12日以降の予定です。