窓の外からは楽しそうな音楽と人々のざわめきが聞こえる。
今日はドン・ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の娘コニー(タリア・シャイア)の結婚式だ。
そんな中、ドンは書斎でひとりの男の訴えを聴いていた。
男は美しい一人娘を心身ともに傷つけて彼女の人生を壊してしまった男たちへの復讐を
ドンに願いたいとやって来たのだ。
ドンはコルレオーネ・ファミリーのトップであり、ファミリーの守り手でもある。
男はそんなドンを前に金はいくらでも払うと必死だったが、ドンは首を縦に振らない。
そして、金では動かないが、友情でなら動くと静かな表情で答えた…
ニューヨークを舞台に描いたマフィアの抗争は、とてもハードな世界でした。
マフィアのドンの息子に生まれた一人の男が、やがて父を継ぐようになるまでを描いた大河ドラマです。
幅広い人脈を持ち、政治家までをも手中に置くドンでしたが、時代は麻薬の新興勢力に傾き始めます。
そして、麻薬を頑なに拒んだドンは命を狙われ、街中を巻き込む抗争へと発展します。
ドンには養子を含め数人の息子がいましたけど、末っ子のマイケル(アル・パチーノ)だけは
マフィアとは違う道を歩んでいました。
それは本人としても希望であり、マフィアのような裏社会ではなく表で活躍できる人物に育てたいという
ドンの願いでもありました。
でも、そんな願いも虚しくマイケルも抗争の嵐に巻き込まれてしまいました(T_T)
それにしても、重厚な物語でした。
マフィアという一族を束ねること。守ること。
それはイタリアという地からアメリカのニューヨークへと拠点を移しても変わらないのだなあと
改めて感じるとともに、“一族”というものの重さを実感させられました。
また、ドンを演じるマーロン・ブランドの存在感の大きさと、
次第にマフィアのドンとして変化していくマイケルを演じたアル・パチーノの輝きに圧倒されました。
馬のシーンとか観れないシーンもありましたけど、やっぱり観て良かったなあと思った1本です。
監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演:マーロン・ブランド アル・パチーノ ジェームズ・カーン ジョン・カザール ダイアン・キートン
1972年 アメリカ 原題:THE GODFATHER
(20100627)