12歳のオスカー(カーレ・ヘーデブラント)は小柄で目立たない男の子。
いつも、いじめっ子に目を付けられては苦痛の学校生活を送っていた。
でも、友達はいないし、離婚してオスカーを育てている母はオスカーの気持ちを理解する余裕が無い。
彼に出来ることと言えば、誰も居ない団地の中庭で
いじめっ子に立ち向かっている一人芝居をして、うっぷんを晴らすくらいだった。
そんなある夜、父娘らしい二人組が隣の部屋へ引っ越して来た。
翌日の夜、オスカーが一人で中庭に居ると、少女が近付いてきた。
オスカーにとってはとても気になる存在だった。
しかし、彼女は「友達にはなれない」とオスカーに言い放った…
一筋縄では行かない恋でした。
人の血を飲むことでしか生きられない少女の起こす数々の死と
少女に魅せられていく少年の揺らぐ心を描いた物語です。
12歳のオスカーはちょっと身体が小さくて弱虫ないじめられっ子です。
彼は自分の苦痛を誰かに告げることが出来ません。
親しい友達はいないし、母はいつもいっぱいいっぱいです。
遠くに住んでいる父も、友人が来るとオスカーよりも友人を優先してしまいます。
そんなある日、彼は自分と同じような孤独を感じさせる少女と出会います。
すぐに少女と友達になりたいと思うオスカーでしたけど、少女はその想いを拒否します。
それでも、次第に二人の心は近づいていきます。
その頃、近くの町で残忍な殺人事件が起きます。
一人の男が通りがかりの若い男を襲ったのです。
その殺人者は少女と一緒に引っ越してきた男でした。
木に逆さ吊りにされた若い男は、首を切られて大量の血を流し始めます。
殺人者はその血を集めようとしましたが、散歩中の犬に吠え立てられて失敗し逃げ出しました。
そして、その事件から間も無く、オスカーの近所でも一人の男性が襲われます。
それはオスカーが恋する少女エリによる凶行でした(T_T)
エリはオスカーに、女の子でなくても私のことが好き?と聞きます。
また、女の子ではないからガールフレンドにはなれないと言います。
見かけは12歳の少女だったエリが実はヴァンパイアだということを、オスカーは少しずつ理解し始めます。
そして、オスカーがエリを受け入れた時、彼らの運命を変える事件が起きてしまいました。
それにしても音も景色も静かな作品でした。
そんな静けさの中で繰り広げられる凶行とヴァンパイアの辿る運命の哀しさにはぞっとさせられました。
それは少年と少女があどけなく見えるだけにより怖かったです。
モールス信号で繋がっている二人の姿を観ながら、この先、どんな運命を辿るのだろうなあと
しみじみ考えてしまった1本です。
監督:トーマス・アルフレッドソン 出演:カーレ・ヘーデブラント リーナ・レアンデション
2008年 スウェーデン 原題:LAT DEN RATTE KOMMA IN/LET THE RIGHT ONE IN
(20100708)
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公式サイトはこちらへ追伸
この映画は試写会で観ました。公開は7月10日以降の予定です。