窓口に向かって行列が並んでいる中、僕(冨澤風斗)の前に天使プラプラ(まいける)が現れた。
抽選に当たりましたとニッコリしながら僕に近付いてきたプラプラは、当選内容を話し始めた。
僕は何かの罪を犯して死んだ魂で、その罪のために輪廻の輪から外れてしまっているのだが、
抽選で選ばれた魂が下界に降りて修行し、前世で自分の犯した罪を思い出せば合格するというのだ。
今回、プラプラは修行に入る僕のガイドだと言った。
そして、消極的な僕を引っ張るように下界へと降りていった…
アニメのファンタジーなのにとてもリアルに感じました。
“僕”の魂が自殺した中学生の身体に入って、家族や学校で暮らしながら修行をする物語です。
身体を借りたのは小林真という中学3年生。彼は自殺をしたのです。
そんな真に成り代わった“僕”は彼の人生を送ります。
そして、真の置かれた現状を体験していきます。
真の家族は父母兄と真の4人家族です。
病院から家へ戻ってきた僕は真が感じていた家族への怒りや嫌悪を感じ始めます。
僕にとって家族は心を許せる相手ではありませんでした。
また、学校でも彼には友達がひとりもおらず、孤独だったことを知ります。
家も教室も居場所の無い真が、唯一ほっと出来た場所は美術室でした。
僕の魂が入った真は、これまでの真とは雰囲気が違っています。
唯一、疑っているのは真に憧れを持っていた同級生・唱子(宮崎あおい)だけ。
学校の同級生たちは、以前よりも明るくなった真にとまどいながらも受け入れていきます。
僕にもとうとう気の置けない友達・早乙女(入江甚儀)が出来て、日々が楽しくなってきました。
そして、真の高校受験を真剣に考えてくれる家族を前にして、
僕は真にこの身体を返したいと考え始めました。
それにしても、それぞれのエピソードがハードですね~
いじめや援助交際から不倫まで、身近にある社会問題が次々と登場します。
そんな現実を前に、僕は真の立場になって考えていきます。
やがて、僕が出した答えは家族たちの別の面を見出していました。
予想通り、ひとつひとつの台詞が心に残るような見応えのあるアニメでした。
映画を観ながら、人生をやり直させられるっていいなあと、ちょっと羨ましく感じた1本です。
監督:原恵一 声の出演:冨澤風斗 まいける 入江甚儀 麻生久美子 高橋克実 宮崎あおい 南明奈 中尾明慶
2010年 日本
(20100828)
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