妻と離婚し単身でニューヨークに住んでいる弁護士ネイサン(ロマン・デュリス)は今日も仕事に追われていた。
愛する娘からの電話も出られず、折り返しの電話を入れても娘は眠った後になってしまう。
彼は娘も妻もまだ愛しているのだが、生活にはその余裕が無かった。
そんなある日、一人の医師(ジョン・マルコヴィッチ)が彼の前に現れた。
上の指示で送られて来たらしい医師はジョゼフ・ケイと名乗り、彼の健康状態の悪さを示唆すると共に、
彼が離婚していることなど私生活も知っているようなそぶりを見せた。
ケイの態度に不信感を持ったネイサンは話もそこそこに彼を追い払ってしまう。
だが、その日の帰り道にネイサンを待ち伏せしていたケイは、5分だけ話をさせてくれと詰め寄った。
ケイの熱意に折れたネイサンは、彼の後について地下鉄の駅へと向かう。
すると向かいのホームに立っている男性を見て、ケイはその男性がもうすぐ死ぬと予言した…
予想以上に不思議な作品でした~
幼い少女と少年のシーンから始まる物語です。
水辺で遊んでいると古い木が割れて少女が落ちてしまいます。
少年の力では自分を持ち上げられないと思った少女は大人たちを読んで来てと少年に言います。
慌てて走り出した少年はそのまま道路へ飛び出し、車の前へ飛び込んでしまいます。
事故に遭った少年は血だらけで道路脇に倒れます。
そのシーンが何だったのか、観ていてもしばらくは分かりませんでした(^^ゞ
その後、一人の弁護士が人の死を見ることの出来る医師と出会うシーンへと変わります。
医師の目的は何か。そして、弁護士の運命はどうなるのか。
そんな謎を残しながら物語は進んでいきます。
一方でネイサンの過去が幻想的な映像と共に綴られていきます。
彼は美しい妻とかわいい娘、そして生まれたばかりの息子に囲まれ幸せな日々を送っていました。
しかし、息子は突然、眠るように死んでしまいます。
その哀しみに耐えられなかったネイサンは妻と娘を放って仕事へ没頭し、妻は娘を連れて彼の元を離れて行きます。
そして現在も、ネイサンと妻の心の中には息子を亡くした哀しみが大きい存在として残っていました。
それにしても、最初のうちはこのシークエンスがどのように繫がっていくのだろうと考えてしまいました。
美しい映像と音楽の中で語られているのは死です。
最初から最期まで死の予感に囚われながらスクリーンを見つめていました。
そして、その予感は予想とは違った方向へと向かっていきました。
ネイサンの幸せなシーンが本当に美しいなあと思っていたら、撮影監督はリー・ピンビンだったのですね。
観終わった時、この作品を理解できたとは思えなかったのですけど、
何となく悲しい夢を見たような気分になった1本です。
監督:ジル・ブルドス 出演:ロマン・デュリス ジョン・マルコヴィッチ エヴァンジェリン・リリー
2008年 ドイツ/フランス/カナダ 原題:AFTERWARDS/ET APRES
(20101011)
→公式サイトはこちらへ http://www.cinemacafe.net/official/message-movie/