きみがくれた未来

ザック・エフロン主演の弟への愛を感じさせるヒューマン・ドラマです。
予告編を観て、観たいなあと思っていたのですけど、
うっかりしていたら13日で終わりと聞いて慌ててみてきました。
予告編通りの切なくて、でも若者の心の強さを感じられるような物語でした。

もうすぐ高校を卒業するチャーリー・セント・クラウド（ザック・エフロン）は
11歳の弟サム（チャーリー・ターハン）と大の仲良し。
高校ではヨット部の主将を務めたチャーリーはヨットの腕も良く、先日のヨットレースでは兄弟で組んで優勝を遂げた。
そんな兄チャーリーは弟サムにとってはかけがえのないヒーローだ。
大好きな兄がもうすぐ大学進学で家を出てしまうのをサムは寂しく感じていた。
そんなサムにチャーリーは、入学まで毎日、夕暮れに野球を教えようと約束する。
野球少年のサムにとって、一番嬉しいプレゼントだ。
だがある夜、二人で車に乗っていた時、酔っ払い運転の車に激しく追突されてしまう。
横転して大破した車から助けられた二人のうち、チャーリーは救命士の努力により息を吹き返したが、
サムはそのまま命を落としてしまった…

弟を亡くした哀しみに囚われてしまったチャーリーの姿が痛々しかったです。

弟を交通事故で亡くしてしまったチャーリーは責任感と哀しみに押しつぶされそうになります。
葬式を途中で飛び出してしまった彼が森の中へと駆けていくと、そこには死んだはずの弟の姿がありました。
約束をしていた野球の練習の合図となる日没の鐘の音と共に現れたのです。
毎日ここで練習をしようと弟の幽霊に約束したチャーリーは、その約束を守るために
大学進学を辞めて墓地の管理者として、管理者宿舎に住み込む生活を始めました。

それから５年の年月が過ぎても、チャーリーの生活は変わりません。
サムの姿もそのままです。
まだ若いチャーリーに、そのままで良いのかと周りの人は彼に問いかけます。
まだ彼の心は弟への哀しみであふれています。
でも、美しいヨットとそのヨットを操る美しいテス（アマンダ・クルー）に再会した時、
彼の心は少しずつ動き始めました。

それにしても、これはザック・エフロンのためにあるような物語ですね(^^ゞ
ピュアなキャラクターの彼だからこそ、物語の中に入っていけるような気がしました。
そして、彼の存在がファンタジーのような優しいストーリーに純粋な愛を感じさせてくれました。

いろいろ忙しない年末年始に、こういうシンプルな物語もいいなあと思いました。
観終わった時、心がそっと静かになった１本です。



監督：バー・スティアーズ　出演：ザック・エフロン　アマンダ・クルー　チャーリー・ターハン　キム・ベイシンガー　レイ・リオッタ
2010年　アメリカ　原題：CHARLIE ST. CLOUD
（20110110）

→公式サイトはこちらへ　http://kimi-mirai.jp/