14歳のナンネル(マリー・フェレ)は寒い雪道を馬車に乗ってパリへと向かっていた。
彼女の父レオポルド・モーツァルト(マルク・バルベ)は妻とナンネルと
11歳の弟ヴォルフガング(ダヴィド・モロー)を連れて、世界各国を回れる演奏の旅に出ていたのだ。
演奏するのはナンネルとヴォルフガングで、二人とも才能豊かな音楽家だった。
パリのヴェルサイユ宮殿に呼ばれていた彼らだったが、人里離れた道で馬車の車軸が壊れてしまう。
仕方なく最寄の修道院を訪ねると、事情を話して数日間の滞在許可を貰うことが出来た。
間もなくナンネルは、その修道院に現国王のルイ15世の娘たち3人が密かに暮らしていることを知る。
3人ともナンネルと同年代の女の子たちで、すぐに4人は仲良くなった。
中でもナンネルより一つ年下のルイーズ(リザ・フェレ)とは音楽を通して気が合い、
いつの間にか二人は深い絆で結ばれていた…
14歳の恋は彼女の人生を決定付けてしまいました(T_T)
父をはじめとする音楽一家に生まれたナンネルは、
幼い頃から英才教育を受けて音楽の才能を開花させます。
でも、父からは“女性に作曲は出来ない”と思われていて、
作曲の勉強もさせてもらえません。
そんな中、偶然に親友となったルイーズを通じて王太子ルイ・フェルディナン
(クロヴィス・フーアン)と出会い、たちまち恋に落ちます。
音楽を通じで出会った王太子はナンネルに作曲を依頼します。
王太子は男女に関係なく、ナンネルの才能を見抜いたのです。
旅を続ける家族の中にいても自分を成長させることは出来ないと感じていたナンネルは
恋と自分の音楽のために、家族の下を離れてパリへ残ることにしました。
でも、彼女の恋の道のりは厳しいものでした(T_T)
それにしても、18世紀の女性たちは早く大人にならなくてはならないのですね。
15歳で音楽と恋の道を諦めてしまったナンネルも、14歳で人生を決定してしまったルイーズも、
あまりのことに切なさと共に理不尽さを感じてしまいました。
登場する音楽がとても美しかっただけに、その才能が無駄になってしまったことが哀しかったです。
そして、それが時代だったのだなと思うと同時に、現代の自由さを身に沁みて感じました。
観終わって解説を読んでみたら、主演のナンネルを演じたマリー・フェレとルイーズを演じたリザ・フェレは
ルネ・フェレ監督の娘たちだったのですね。
モーツァルト一家みたいに監督さんも子供たちの才能を信じているのだなと感じました。
この二人がいたからこそ、見応えのある作品になったのかもと思った1本です。
監督:ルネ・フェレ 出演:マリー・フェレ マルク・バルベ ダヴィド・モロー デルフィーヌ・シュイヨー クロヴィス・フーアン リザ・フェレ
2010年 フランス 原題:NANNERL, LA SOEUR DE MOZART
(20110515)
→公式サイトはこちらへ http://nannerl-mozart.com/pc/