光司(三浦春馬)は写真家志望の東京で暮らす大学生。
いつも公園で道行く人を撮りながら写真の腕を磨いていた。
ある日、公園でベビーカーを押しながら散歩をしている女性(井川遥)の写真を撮っていると、
男に何をしているのかと咎められた。
光司がその男・初島(高橋洋)に写真家を目指す学生であることを説明して名刺を渡すと、
男はいぶかりながらも、後日に連絡すると言って去って行った。
そして数日後、再び公園に呼び出された光司は、初島から先日撮っていた女性を尾行して欲しいと依頼される。
その女性は毎日、いろいろな公園を散歩しているのだ。
昼間だけで、行き先は連絡するという条件で引き受けた光司は、
その翌日からデジカメで女性が散歩している姿を撮り始めた…
冬の柔らかな光と、映し出される人たちの優しい表情が印象に残りました。
主人公の光司を中心に、実らぬ愛、失った愛、そして取り戻す愛を優しい視線で描いた作品です。
光司は東京で暮らす写真好きな大学生です。
両親は光司が大学へ入るのと同時に大島での暮らしを選んで移住し、
血の繫がらない9歳年上の姉・美咲(小西真奈美)はマンションでの一人暮らしをしています。
一軒家に一人暮らしをしている光司のもとには、幼馴染の美優(榮倉奈々)がいつも遊びに来ています。
実は光司の幼馴染で美優の恋人だったヒロ(染谷将太)の幽霊が家に居ついています。
そして、光司のもとに公園を散歩する女性を尾行して写真を撮る依頼が入ります。
そんなふうに彼の周りには様々な愛が存在していました。
光司自身はそんな感情にはちょっと疎いようです。
人々を写真に撮りながら、自分では気付かずに周りの人の愛に巻き込まれていきます。
面白いのは、いつも愛について美優から教えられることです。
彼女は無邪気なようでいて、いつも防御を構えているような不思議な女の子です。
そして人の心を敏感に捉えています。
そんな彼女から教えられる人々の愛の動きに、光司は戸惑いながらも真っ直ぐに受け止めようとします。
そして、彼の動きに合わせるように、少しずつ人々の愛も動き始めました。
それにしても、登場する俳優さんたちが、みんなきれいでした~
スクリーンに映っているだけで、きれいだなあと思えてしまうのが面白かったです。
笑顔も悲しみの表情も、そして抑えられない感情を表に出した時の追い詰められた表情も
それぞれの俳優さんが持つ感情や雰囲気が余すことなく伝わって来ました。
そして、そんな感情を表しながらも、どこと無く優しい雰囲気で包んでいるような
余韻を感じさせてくれるところも面白かったです。
それぞれの愛に一区切りがついた時、光司は少しだけ大人になったのだなと思いました。
観終わった時、ゆったりとした気持ちになったと同時に、
光司が撮った写真をもっと観たかったなあとちょっと思った1本です。
監督:青山真治 出演:三浦春馬 榮倉奈々 小西真奈美 井川遥 染谷将太 宇梶剛士 高橋洋
2011年 日本
(20110618)
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公式サイトはこちらへ http://tokyo-park.jp/