戦争によって津軽海峡を境に南北に分断された世界の日本。
青森に住む中学生・ヒロキ(吉岡秀隆)とタクヤ(萩原聖人)には憧れているものが2つあった。
一つは津軽海峡の先にある北海道に建つ高い塔まで飛行機で飛んでいくこと。
二人は数年前に墜落して捨てられていた二人乗りの飛行機を見つけて、二人の隠れ家へ運んでいたのだ。
その後、強面だが機械に詳しい岡部(石塚運昇)の工場でアルバイトをしながら、
少しずつ部品を揃えて飛行機を組み立てていた。
何年もかかりそうだが、何とか中学3年の夏までには飛ばしたいと頑張っていた。
二人のもう一つの憧れは同じクラスの少女・沢渡サユリ(南里侑香)だ。
彼女と二人はそれほど接点がなかったが、それぞれ偶然、学校の帰り道に彼女と一緒になる。
その時、彼女は自分の見た不思議な夢のことを語っていた…
かなり不思議なSF世界の中で、純粋に人を想う心の強さと美しさを感じました。
北の端にある小さな町を舞台に、二人の少年と少女の淡い恋を描いた作品です。
ただし、この世界の日本は南北に分断されています。
津軽海峡で二つの勢力が日本を引き裂いているのです。
少年たちは自由には行けない北海道に建っている巨大な塔に憧れを抱いています。
いつも海の向こうの塔を眺めては、自分たちの飛行機を組み立てていました。
そんな彼らは同級生のサユリに淡い恋をしています。
二人は自然と彼女と仲良くなり、みんなで飛行機に乗って塔まで行こうと約束をしました。
でも、少女を襲った“夢”の奇病が3人の友情を壊してしまいます。
彼女が突然に居なくなって、二人の少年は飛行機で塔へ行く夢も自然消滅します。
そして3年後、3人は強い絆に引かれるように再び近付いていきました。
それにしても、不思議な世界でした~
出だしは素朴な中学生の生活を描いているように見えて、実は風景が変です。世界が違うのです。
そして、3年後になると、もっとSFな世界になってきて、一体どうなってしまうのかと思いながら観ていました。
そんな中で描かれている少年と少女の想いはあまりにも純粋で切なくて、本当にきれいでした。
見終わった時、やっぱり空の風景の美しさが心に残りました。
これはもう、みんなが絶賛している『秒速5センチメートル』も観なくてはと思った1本です。
監督:新海誠 声の出演:吉岡秀隆 萩原聖人 南里侑香 石塚運昇 井上和彦 水野理紗
2004年 日本
(20110710)
→
公式サイトはこちらへ http://www.kumonomukou.com/