東日本大震災により大きな被害を受けたスパリゾートハワイアンズで働く人々を中心に
再開に向けて歩み始めた彼らの姿を追ったドキュメンタリーです。
東京国際映画祭のプログラムを観た時から、とても気になっていました。
絶望に苛まれながらも、何とか前を向こうと頑張っている姿に胸が締め付けられました。
少しでもみんなが幸せになれるようにと願わずにはいられませんでした(T_T)
1966年に誕生して多くの人に愛されてきたスパリゾートハワイアンズで働く人々を映し出した作品です。
3月11日の震災で途方も無い被害を受けたセンターの復興までの長い道のりを追っています。
中でも実家が原発から2キロほどしかない場所にあるダンシングチームのサブリーダーの視点を通して
震災の激しさと絶望、そして原発事故の無残さを実感させてくれました。
震災から数ヶ月が過ぎて映画を撮り始めた現在でも震災の爪跡は凄まじく、
至るところに出来た段差などで建物はボロボロです。
操業が出来ないので、ダンサーたちも何も出来ません。
でも、やがてダンサーたちは創業時以来となる全国キャラバンを行ない始めます。
フラダンスを通して人々に笑顔と元気を与えたいという気持ちは、
彼女たちの華やかなダンスと相まって観ている者の胸を熱くさせました。
それにしても、あまりにも大きな被害のために“もうだめだ”という言葉しか出なかった彼らが、
それでも被災者の避難場所として1つの町の住民を受け入れてお世話をしている姿には感動でした。
自分たちも被災者であるがゆえに、避難してくる人々の心の痛みが解るのでしょうね。
従業員たちの心の温かさがどれだけ被災者の心を癒したかがじんわりと伝わって来ました。
そして、そういうひとりひとりの心の温かさが福島の人々の力に成っていくのだなと実感しました。
これまで映画『フラガール』でしか知らなかったスパリゾートハワイアンズでしたけど、
やっぱりこの目で観てみたくなりました。
いつかあのステージで輝くダンサーたちのフラダンスを観に行きたいなと思った1本です。
監督:小林正樹 出演:スパリゾートハワイアンズのダンサーたちほか
2011年 日本
(20111114)
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公式サイトはこちらへ http://ganbappe.j-cqn.co.jp/