911以降の戦争の原因となった大量破壊兵器を巡る謎に巻き込まれてしまった
CIA諜報員ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)を描いたサスペンスです。
彼女は大学卒業後すぐに志願してCIAへ入りました。
真面目で真摯に仕事をしてきた彼女は、何チームもの作戦を指揮するほどにキャリアを積んで来ましたが
一方で夫と子供二人を持つ母親でもあります。
夫は元外交官で海外の事情に強く、また彼女の仕事にも理解を示す彼女にとってぴったりのパートナーです。
そんな二人はお互いに幸せな家庭を持てたことを幸せに思っていました。
ヴァレリーたちがイラン周辺を調査し、核施設はすべて米軍によって破壊されたということが確認されて
CIAの中では大量破壊兵器は無いと結論を出しました。
調査にはヴァレリーの夫ジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)も協力して、レポートまで出しています。
でも、そこに政府サイドから横やりが入り始めます。
科学的な根拠よりもロジックでCIA職員たちをやり込めて、大量破壊兵器があるように方向転換させたのです。
それを知ったジョー・ウィルソンは政府が嘘を言っていると怒りに駆られ、大量破壊兵器は無かったと
新聞に発表をしてしまいます。
でも、そのことがヴァレリーの運命を大きく狂わせていきました。
それにしても怖い物語でした~
政府が世間的に人を抹殺しようとするなんて簡単なのですよね。
冤罪まで行かなくても、嘘の疑惑を流すだけでも人のイメージはどんどん歪められてしまうところや
彼女たちを知らない他人はそれを簡単に信じてしまうところが怖かったです。
エンドロールの初めの方に、本人が実際に公式な場で供述しているシーンが流れます。
映画を観ている時には、こんな話が…?とも感じたのですけど、やっぱり本人が出てくると
この物語に近いことは現実に起きたのだなと納得でした。
そして、これほど大きな事件が数年後に映画になってしまうアメリカって凄いなとちょっと感じました^^;
ヴァレリーが最後に出した決断は、彼女の心の強さと共に印象に残りました。
主演の二人の演技もとても良かったです。
こんなに辛い目にあった彼女ですけど、せめてこうして真実を広められて良かったなとしみじみ思った1本です。
監督:ダグ・リーマン 出演:ナオミ・ワッツ ショーン・ペン デヴィッド・アンドリュース マイケル・ケリー ノア・エメリッヒ ブルース・マッギル サム・シェパード
2010年 アメリカ 原題:FAIR GAME
(20111114)
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公式サイトはこちらへ http://fairgame.jp/