50/50 フィフティ・フィフティ

突然にガンが見つかってしまった27歳の青年の姿を軽快なテンポで描いた作品です。
主演のジョセフ・ゴードン＝レヴィットが髪を刈り上げるビジュアルが印象的だったので気になっていました。
ガンを告知されて闘病生活に入った主人公の葛藤や悩み、そして希望が素直な視点で描かれていました。

ジョセフ・ゴードン＝レヴィットはやっぱり共感しやすいなあと思いながら観ていました。

アダム（ジョセフ・ゴードン＝レヴィット）はFM局に勤める27歳の青年。
酒もタバコもやらず、何故か運転免許も無いので車も運転せずに、健康的な暮らしを送ってきました。
ある日、そんな彼が腰の痛みを感じて病院で検査を受けると、何とガンが見つかってしまいます。
しかも、かなり難しいガンで、彼がネットで調べてみると数年後の生存率は50％！
同棲している美人の恋人レイチェル（ブライス・ダラス・ハワード）の協力を得て闘病生活に入りますけど、
いつの間にか彼女は病院への送り迎えも怪しくなってきます。
そして、とうとう浮気をきっかけに去ってしまいました。

一方、彼が学生の頃から苦楽を共にしてきた友人カイル（セス・ローゲン）は
いつも女性と寝ることだけを考えているようなお調子者ですけど、ずっと彼と一緒に行動してくれます。
また、いつも口煩く感じて苦手意識のある母（アンジェリカ・ヒューストン）も一途に彼のことを心配してくれます。
そして、彼を担当することになったセラピストのキャサリン（アナ・ケンドリック）や
治療中に知り合ったガン患者のミッチ（マット・フルーワー）やアラン（フィリップ・ベイカー・ホール）とも知り合い、
何となく笑顔と平静を保ちながら日々を送っています。
でも、ミッチの突然に死により、アダムの心も不安に揺れ始めてしまいました。

それにしても、ジョセフ・ゴードン＝レヴィットって不思議な役者さんですね。
普通の青年がぴったりなのですけど、何となく非日常的な雰囲気を感じてしまいます。
恋に落ちる『（500）日のサマー』、夢に落ちる『インセプション』、そして今回は病気で
いつもの日常が突然に変化してしまいます。
そんな中を主人公として痛みや苦しみを感じつつも、飄々とした雰囲気で歩んでいくのです。
そんな彼が演じたからこそ重たい題材にも関わらず、軽快な印象の残る作品になったのだなと思いました。
また、友達のカイルやセラビストのキャサリンがとてもいい人で、彼らのような人が傍に居てくれたからこそ
アダムは病魔と闘っていけたのだなと感じました。

ガンの物語だったので重いかなと予想していたのですけど、とても素敵な余韻の残る作品でした。
ちょっと元気と勇気を貰って心が温かくなった1本です。



監督：ジョナサン・レヴィン　出演：ジョセフ・ゴードン＝レヴィット　セス・ローゲン　アナ・ケンドリック　ブライス・ダラス・ハワード　アンジェリカ・ヒューストン　マット・フルーワー　フィリップ・ベイカー・ホール
2011年　アメリカ　原題：50/50
（20111124）

→公式サイトはこちらへ　http://5050.asmik-ace.co.jp/

追伸
この映画は試写会で観ました。公開は12月1日以降の予定です。