源氏物語の誕生の謎をベースに平安の貴族の恋愛模様を描いた作品です。
どのような華麗なる世界がスクリーンに広がるのだろうかと楽しみにしていました。
期待通りの美しい絵巻のような世界と、現実と幻想が混ざり合ったような展開に魅せられました。
夢うつつのような妖しさが印象的でした~
天皇のもとに娘の彰子(蓮佛美沙子)を嫁がせた藤原道長(東山紀之)は、娘が天皇の寵愛を得るために
娘の女房役である紫式部(中谷美紀)に誰もが夢中になるような物語を綴るように命令を下します。
彼女は “源氏物語”を書き始め、期待通りに天皇をはじめとする宮中をとりこにしていきます。
でも、藤原道長の希望通りに彰子が男子を産んでも、紫式部は筆を止めません。
実はその物語には紫式部自身の心が持つ黒い影が宿っていたのです。
物語の中で生霊と化す六条御息所(田中麗奈)と同じように、紫式部も暗い情念にとらわれていました。
それを見抜いた安倍清明(窪塚洋介)は、藤原道長に物語を止めるよう助言をします。
でも、藤原道長は紫式部の物語の行く末を自分も知りたいと言って、そのまま書かせ続けました。
それにしても豪華で美しい物語でした。
物語の中も、現実である貴族社会の中も、すべてが夢の中のように美しかったです。
それだけに情念に駆られる愛憎がストレートに浮かび上がって来て、ちょっと怖かったです。
特に物語の主人公である美しい光源氏(生田斗真)への深い愛のために生霊になった六条御息所の
妖しくも哀しい姿はインパクトがありました。
そして、そんな彼女と重なるような紫式部の暗い微笑みも印象に残りました。
源氏物語でこういう話になるのが意外で面白かったです。
観終わった時、こういう豪華な映画を見るとお正月が近づいているのだなという
気持ちになるなと感じた1本です。
監督:鶴橋康夫 出演:東山紀之 中谷美紀 生田斗真 田中麗奈 真木よう子 榎木孝明 窪塚洋介 多部未華子 芦名星 蓮佛美沙子 東儀秀樹
2011年 日本
(20111127)
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公式サイトはこちらへ http://www.genji-nazo.jp/index.html追伸
この映画は試写会で観ました。公開は12月10日以降の予定です。