行き着く先に未来はあるのだろうかとか考えてしまいました(T_T)
親にいらない子供だと言われ続けている中学生の少年と少女の物語です。
少年は川の側でボート屋を営んでいる家の息子・住田祐一(染谷将太)。
母は夜の店で働いているようで、たまに男を連れ込んだりもしています。
父は酒飲みの甲斐性無しでほとんど家に居らず、たまにふらりと帰って来ては金は無いかと聞き、
息子の口のきき方が悪いと殴る蹴るの暴力を浴びせた挙句に、
何でお前は死ななかったのかとうんざりした顔で言いながら去っていきます。
少女は住田くんの同級生で住田くん一筋の茶沢景子(二階堂ふみ)。
彼に接している時はちょっと不思議で笑顔があふれるような少女ですけど、家庭は崩壊中。
父は多額の借金をしたようで、母はそのために心が病んでいます。
母にはお前はいらないと言われ、準備が出来たらおまえは死ねと言われます。
その指さした先にある居間には心中が出来るように首を吊るための準備が着々と進んでいます。
とうとう母親が去って保護者がいなくなった住田くんは、中学校へ来なくなります。
心配した茶沢さんがボート屋へ行き、住田くんに余計な御世話だと叩き出されようとも
ボート屋を手伝ったり、ボート屋の宣伝チラシを作ったりと彼を支えようとします。
ボート屋の周りに居付いている気が優しいホームレスたちも彼を心配してくれています。
でもある夜、再び家に来て酔いながら暴言を繰り返す父親に対して、
とうとう住田くんの怒りが爆発してしまいました(T_T)
それにしても、出だしの津波で崩壊した町の光景からずっと、絶望ばかりが溢れていました。
そんな中でも必死に生きようとする少年と少女の姿はあまりにも痛々しかったです。
物語とはいえ、そんなに痛めつけなくても…と思いつつも、住田くんを何とか支えようと
泣きながら叫ぶ茶沢さんの姿から目が離せませんでした。
そして、そんな茶沢さんの姿に微かな変化を見せる住田くんの表情は切なすぎました。
観終わった時、言葉もありませんでした。
せめて、この二人が希望を持てる世の中になりますようにと願ってやまなかった1本です。
監督:園子温 出演:染谷将太 二階堂ふみ 渡辺哲 光石研 でんでん 村上淳 吹越満 神楽坂恵 渡辺真起子 黒沢あすか 窪塚洋介
2011年 日本
(20111226)
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公式サイトはこちらへ http://himizu.gaga.ne.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は1月14日以降の予定です。