『南極料理人』の沖田修一監督が役所広司&小栗旬を迎えて紡ぎだしたコミカルなヒューマンドラマです。
昨年の東京国際映画祭の時から観たいと思っていて(でも、チケットは取れず・・・)
映画公開日を楽しみにしていました。
期待通りのゆるい可笑しさと爽やかな展開に、とても心地良い余韻の残る作品でした(^^ゞ
さり気無く描かれる心の変化がじんわりと伝わって来ました。
気弱で新人の若い映画監督・田辺幸一(小栗旬)と
ロケ地で出会った木こり・岸克彦(役所広司)の交流を描いた物語です。
25歳と60歳の二人は生きた年数だけでなく生き方も考え方も全く違っています。
出会いは最悪。映画スタッフを乗せた車が動かなくなって困っていたところに
たまたま仕事へ向かおうとしていた岸のトラックが通りかかり、つい道案内させられてしまったのです。
映画にぴったりの川を探してようやく三度目の川でOKになると、
今度はエキストラが足りないとスタッフに頼まれて、岸はゾンビの役をやらされます。
しかも、ゾンビのメイクは落としてもらえないまま解散させられてしまう始末。怒り心頭です。
でも後日、上映されるラッシュを見ないかとスタッフが誘ってくると、つい観に行ってしまいます。
そこで自分が映っているシーンを観て、岸は目を輝かせます。
そして、何故か彼はこの映画作りに少しずつ巻き込まれていきました(^^ゞ
それにしても、本当にゆるやかな展開の物語でした。
言葉はあまり多くを語りません。
主人公たちは言葉にもならないしぐさとか、ちょっとした動きだけで色々なことを伝えてくれます。
最初は隔たりがあった二人の距離が少しずつ近付いてきて、
次第に心が通じ合っていく時の心境が静かに伝わってくるのが面白かったです。
特に温泉での二人の動きは何とも楽しくて笑ってしまいました。
そして、その微妙な動きと表情でしっかりと伝えてくれた主演の二人の佇まいは最高でした。
観終った時、主人公たちが過ごした時間とその心の成長にニッコリした1本です。
監督:沖田修一 出演:役所広司 小栗旬 古舘寛治 黒田大輔 嶋田久作 高良健吾 臼田あさ美 平田満 山崎努 伊武雅刀
2011年 日本
(20120211)
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公式サイトはこちらへ http://kitsutsuki-rain.jp/追伸
星野源さんの歌う主題歌がいいです~
最近、FMでよく流れているので、聞くたびにのんびりした気分になれます(^^ゞ