どんどん小さくなるうしろ姿を言葉もなく見つめていました(T_T)
1960年代のミシシッピー州の田舎町では人種差別が当たり前でした。
公共の場所で同じ席に座らないのは当然。学校では教科書の貸し借りも無し。
あらゆる場所に別の扉を作って分けているような環境です。
そして、上流階級ではメイドが家人と同じトイレを使わないように家の外にトイレを作って
どんなにひどい嵐の中でも外へ行けと命令するありさまでした(>_<)
でも、どれほど差別をしていてもメイドは必要です。料理をはじめとする家事は全てメイド任せだからです。
また、子育てするよりも友人との交流を大切にする若い母たちは、子供をメイドに当然のように預けて行きます。
その子供たちをメイドたちは慈しむように大切に世話をしていきます。
彼女たちの愛を受ける子供としても、実際の母親よりもメイドたちに懐いてしまいます。
ただし、幼い頃にはどんなに懐いている子供たちも成長すると、何故か親と同じ価値観を持つようになります。
そんな彼らの姿を見ると、この上流階級の人たちは大人になる時に
何を忘れてきてしまったのだろうかと考えてしまいました。
それにしても何とも言えない気持ちになる作品でした(T_T)
生きるためにメイドになるしかない世界の中で必死に耐えている姿は切なかったです。
勤め先で家人の機嫌を損ねたために首になり、仕方なく娘をメイドとして働かせ始めた母は
これだけは守ることと娘に指示をします。
それは、どんなことがあっても口答えをしないこと。
そう告げる時の母の真剣な表情がとても印象に残りました。
そして、生きる糧が無くなるかもしれない、最悪は暴力により命を奪われるかも知れないという状況で
自分たちの体験を語っていったメイドたちの強い決意には心を動かされました。
雇い主である人々とメイドとの本音の心のぶつかり合いのシーンを観て、
差別は差別する方も差別される方も不幸になるなと改めて感じました。
観終わった時、観て良かったなとしみじみと感じた1本です。
監督:テイト・テイラー 出演:エマ・ストーン ヴィオラ・デイヴィス オクタヴィア・スペンサー ブライス・ダラス・ハワード ジェシカ・チャステイン アリソン・ジャネイ シシー・スペイセク シシリー・タイソン メアリー・スティーンバージェン
2011年 アメリカ 原題:THE HELP
(20120401)
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