近未来の東京を舞台に、人型作業ロボット“レイバー”が使われるようになった世界を描いたアニメです。
もう何回も観ている作品なのですけど、先日、今野敏著『夕暴雨』を読んだら、
また観たくなってしまいました(^^ゞ
久々に観た物語は、じっとりとした東京の得体の知れない暑い夏を感じさせてくれるサスペンスでした。
20年以上前のアニメですけど、観始めたらすぐに引き込まれてしまいました~
レイバーが日常的に使われるようになった世界ではレイバーを使った犯罪が発生し、
警視庁にも“特車二課”という警察用レイバーを駆使するような部署が出来ています。
1999年の夏、東京湾には東京湾改造計画の要となる多重構造の海上プラットホームの
建設工事が着々と進んでいました。
そんな中、工事現場などで使用されていたレイバーが暴走するという事故が次々と発生するようになります。
レイバー事件に関わる篠原遊馬巡査(古川登志夫)は、その発生率の多さに疑問を抱き、
後藤警部補(大林隆介)の許可の下、独自の調査を始めます。
運転手やレイバーの特徴、発生状況などのデータを比較すると、唯一の共通項目は
最新のレイバー用OS「HOS」を積んでいるということだけでした。
でも、このHOSは最近のレイバーのほとんどに搭載されているので、これが原因となると大混乱を招きます。
せめて、何がトリガーになって暴走を始めるのかを見つけようと必死になっていた篠原は
レイバー搭乗員の泉野明巡査(冨永みーな)との何気ない会話の中で、そのヒントを見つけました。
それにしても、やっぱり面白かったです。
犯人が自殺してから始まる物語なので、犯人を捕まえるのではなくて
発生し始めたレイバーの問題を解き明かすことが事件の解決になっていきます。
犯人はどんな秘密を抱えながら自殺したのか。
その暗い情熱を知るために犯人の生い立ちを辿る刑事二人が見る光景が印象に残りました。
そして、一人の男の狂気が起こした事件の結末を観た時、その威力の大きさに圧倒されました。
初めて観た時はレイバーのある世界の面白さや絵のカッコ良さに惹かれたのですけど、
久々に観ると人間関係や彼らの心情を考えるのが面白かったです。
大雨の中、家で観るにはぴったりだったかもとちょっと思った1本です。
監督:押井守 声の出演:古川登志夫 冨永みーな 大林隆介 榊原良子 池水通洋 井上瑶 二又一成 郷里大輔 千葉繁
1989年 日本
(20120503)