宮沢賢治原作の童話を映画化したアニメです。
大好きなアニメ「銀河鉄道の夜」の監督&猫のキャラクターと聞いて、公開を楽しみにしていました。
美しい映像と音楽、そして映し出される切ない物語に、心が揺さぶられるような作品でした。
ブドリは揺らぎ無い瞳で真っ直ぐに向かっていきました。
グスコー・ブドリ(小栗旬)の人生を描いた物語です。
彼は木こりの家に生まれました。
父グスコー・ナドリ(林隆三)は腕の良い木こりで、優しい母(草刈民代)、妹ネリ(忽那汐里)と
4人で幸せに暮らしていました。
でもある年のこと、いつになっても春や夏が来ず、大飢饉に見舞われてしまいます。
植物が育たないために食料も手に入ら無くなり、グスコー・ブドリの家もたちまち困窮してしまいました。
ある日、ついに父が家を出て森の奥へと入ってしまいます。
母も、まだ少し粉が残っているから二人で分けて食べなさいと言い残し、父の後を追って家を出ました。
残された二人は呆然と見送るばかりです。
そして、ネリが空腹を訴えた時、異次元から来たような不思議な男がネリを連れ去ってしまいます。
とうとう独りぼっちになってしまったグスコー・ブドリも、食べ物を求めて家から出て行きました(>_<)
それにしても、本当に美しくて切ない作品でした。
猫のキャラクターたちはあまり表情が無くて、全体的にも物語は淡々と進んでいくのですけど、
描かれていることは本当に哀しくて切ないです。
でも、グスコー・ブドリは様々な人に出会いながら、自分の歩める道へと進んでいきます。
そして、その道は彼の切望する未来へと向かっていきました。
切ないのですけど、絶望ではなくて癒しを感じるような作品でした。
観終った時、美しいラストシーンと主題歌がずっと心に残った1本です。
監督:杉井ギサブロー 声の出演:小栗旬 忽那汐里 佐々木蔵之介 林家正蔵 林隆三 草刈民代 柄本明
2012年 日本
(20120710)
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