ひとつのボールの力は偉大でした。
ひとりの若い教師が名門校へ赴任してくるところから始まる物語です。
1974年のドイツが帝国を広げていた頃。コンラート・コッホ(ダニエル・ブリュール)が
実験的な授業の一環として英語教師としてやって来ました。
早速、担当する教室へと案内されたコッホは、生徒たちの躾の良さに違和感を覚えます。
そして、授業を始めた彼は、生徒たちに植え付けられているイギリスへの偏見や
ブルジョア階級と労働階級を隔てる階級意識の大きさに驚きを隠せませんでした。
全く英語に興味を持たない少年たちを体育館へと連れ出したコッホは、ひとつのボールを取り出します。
彼が愛するサッカーを子供たちにも伝えたいと考えたのです。
サッカーにはフェアプレイや仲間意識の精神が根底に存在します。
英語に興味を持たせると共に、これまでの常識とされていた考え方や服従の心を壊したかったのです。
そして、少年たちは彼が願うとおり、サッカーに夢中になり始めます。
でも、やがてそれは学校を揺るがす大きな問題となっていきました。
それにしても、やっぱりいい物語でした~
現在はこんなにもサッカーが愛されているドイツでこれほど苦労があったことにはびっくりでしたけど、
そんな時代の中で必死に、そして素直にサッカーを楽しんでいる少年たちの笑顔が可愛かったです。
厳しい規制の中で面白くない授業に黙々と耐えていた生徒たちを解放したのが
サッカーだったというのは痛快ですね。
そして、少年たちにとって、これほど愛せるものを見つけられて、それを共有できる仲間が出来たら、
それ以上の教えは無いかも知れないなあと感じました。
ずっと大人に服従していた彼らが自分たちで考えて行動するまでに成長していく姿に
観ている方も笑顔になって行きました。
そんな彼らの中心となるコッホ先生を演じていたダニエル・ブリュールの優しい存在感も素敵でした。
観終った時、台風が来る前にと頑張って観に行って良かったなあと感じた1本です(^^ゞ
監督:セバスチャン・グロブラー 出演:ダニエル・ブリュール ブルクハルト・クラウスナー ユストゥス・フォン・ドーナニー カトリン・フォン・シュタインブルク
2011年 ドイツ 原題:DER GANZ GROsE TRAUM/LESSONS OF A DREAM
(20120930)
→
公式サイトはこちらへ http://kakumei.gaga.ne.jp/