和田竜の原作を犬童一心&樋口真嗣の二人の監督と、野村萬斎主演で映像化した作品です。
文庫本になった原作を公開まで待ちきれなくて読んでから、観るのをずっと楽しみにして来ました。
迫力の映像と共に、約400年前の世界に引き込まれるような物語が綴られていました。
とても真摯に創られている作品だなあと感じました。
秀吉が天下統一まで目前に迫っていた頃の物語です。
全国のほとんどが制圧されて残すは関東のみとなり、秀吉(市村正親)から武将たちに
小田原城以下いくつもある北条配下の城を攻め落とすよう指示が出ました。
特に秀吉のお気に入りである石田三成(上地雄輔)も大将として2つの城を任されます。
そのうちの1つが成田長親(野村萬斎)のいる武州・忍城でした。
石田三成は以前に秀吉から見せられた“水攻め”の圧倒的なパワーが忘れられませんでした。
自分の手でその戦法を実現したいと願っていた彼は、本来なら戦わずに済むところを
策略により忍城との開戦へと進めてしまいます。
石田軍は軍勢の数では圧倒的でしたけど、緒戦の戦いは全ての入り口で忍城方の勝利となります。
地の利と戦略がものを言ったのです。
そして、ついに石田三成は念願の水攻めを開始し始めました。
それにしても、物語の面白さがそのままスクリーンに映し出されたような作品でした~
人々の心の動きを丁寧に描きつつ、戦いのシーンの迫力もあって圧倒されました。
馬を使ったシーンも印象的で、あんなふうに駆け回れたら気持ちいいだろうなあと思いました。
特に佐藤浩市さんや榮倉奈々さんの馬を駆っているシーンはカッコ良かったです。
水攻めシーンは昨年の公開を延期したのも分かるなあと思いつつも、人の被害があまり無くてほっとしました。
水が引いた後の光景にはやっぱり心が痛くなりましたけど、エンドロールで現在の町が映し出されていて
あんな戦場がこんな平和な町になっていることにほっとしました(^^ゞ
こういう映画に出会うと、邦画っていいなあと思います。
観終わった時、スクリーンで観ることが良かった~と思った1本です。
監督:犬童一心 樋口真嗣 出演:野村萬斎 佐藤浩市 山口智充 成宮寛貴 榮倉奈々 上地雄輔 山田孝之 平岳大 西村雅彦 平泉成 夏八木勲 前田吟 中尾明慶 尾野真千子 芦田愛菜 市村正親
2011年 日本
(20121114)
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