彼女のその後がとても気になりました。
王妃マリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)に仕える朗読係の少女
シドニー・ラボルド(レア・セドゥ)の視点を通してフランス革命を描いたドラマです。
シドニーの朝は目覚まし時計のベルから始まります。
本来は彼女のような下働きには手の届かないような高価な時計なのですけど、
仕事に必要なために上司が貸してくれました。
そして、ベルが鳴るとすぐに起きなければなりません。
彼女は常にマリー・アントワネットのご機嫌に合わせて待機していなければならないのです。
早速、彼女が王妃に呼ばれると、まずは王妃の機嫌に合わせた書物が選ばれます。
そこは彼女の上司との相談です。
そして、書物が決定すると図書室から本を持ってきて、王妃の側で朗読します。
その時間はシドニーにとって何にも代えがたい至福の時でした。
でも、7月14日にバスティーユ牢獄で起きた事件の報告が届くと、シドニーの周辺も慌ただしくなってきます。
彼女は王妃だけを見つめていますけど、宮殿の人々は貴族から衛兵まで、自分の命が一番なのです。
彼女にはこの変化にどう対応していいか分かりません。
でも、とうとう王妃までもが荷造りを始めました。
それにしても、ベルサイユの裏側の世界は面白かったです。
これまではキラキラした豪華な世界しか見たことが無かったのですけど、裏側は別世界。
シドニーは蚊の痒みに悩まされているし、同僚には朝から大きなネズミを見せられます。
不衛生な生活だったのですねと改めて思いました。
また、気まぐれな王妃に振り回されるシドニーの心を思うと何とも切なかったです。
懸命に働いても報われることは少ないし、逆に怒られてしまうこともあります。
彼女は王妃のためなら命をも惜しくないと思っているのですけど、
最終的には王妃をさっさと見捨てて逃げ出すようなポリニャック夫人を助けるために動くよう命令されます。
そんな報われないシドニーの耐えるような表情と姿は本当に哀しすぎました。
それでも、最後に大胆不敵にも見えた彼女の表情が印象に残りました。
観終わった時、いったい彼女はどんな人生を送ったのだろうと考えてしまった1本です。
監督:ブノワ・ジャコー 出演:レア・セドゥ ダイアン・クルーガー ヴィルジニー・ルドワイヤン グザヴィエ・ボーヴォワ ノエミ・ルボフスキー
2012 フランス/スペイン 原題:LES ADIEUX A LA REINE/FAREWELL, MY QUEEN
(20121216)
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公式サイトはこちらへ http://myqueen.gaga.ne.jp/