やっぱり秘密って心を壊すなあと思いながらスクリーンを見つめていました。
穏やかな日常から始まる物語です。
カフェで出会ってすぐに結婚することに決めた夫婦の物語です。
海に近い小さな町に住むツマ（宮崎あおい）とムコ（向井理）はとてもお似合いの夫婦です。
ムコは小説家で、家で小説を書きながら近くの老人介護施設でも働いています。
彼は施設では寝たきりのひとりの老人のことを特に気にかけて世話をしていました。
ツマは動物や木など人以外の生き物の声も聞こえるらしく、よく彼らと会話をしています。
それに、ムコが何度注意しても、扇風機の首を固定して風に当たったまま昼寝をしてしまいます。
そんなちょっと天然で心配ばかりさせるツマのことを、ムコはとても大切に思っていました。
そんなある日のこと。ムコがいつもお世話をしていた老人が亡くなってしまいます。
過去に大切な人を亡くした記憶に囚われているムコは、老人の死にショックを受け落ち込みます。
また、ムコ宛に届いた差出人の無い手紙も彼の心を大きく揺り動かします。
そして、彼は小説の執筆に没頭し始め、ふたりは大切なことを話さなくなり、重要なことの意志の疎通は
ムコが書いている日記をツマが盗み読みするという異常な手段のみになっていきました。
それにしても、この二人の存在感はさすがですね～
ちょっと不思議でエキセントリックなところもあって、満月に心身ともに左右されてしまうツマ。
そんなツマにどうしても今の心を言葉で伝えられないムコ。
ムコに対して不安を募らせるツマの無言の行動は、普段の可愛らしさとは相反していてとても怖かったです。
そして、それでもムコを待ち続けるツマのひたむきさと、過去を乗り越えて立ち直ろうとするムコの行動に
お互いが相手を求めていくことが、そしてそこへ帰れると信じていることが大切なのだなと感じました。
動物や木といった声だけの出演のみなさまの演技も楽しかったです。
観終った時、縁側って幸せな空間だなあとちょっと思った1本です。
監督：廣木隆一 出演：宮崎あおい 向井理 濱田龍臣 浅見姫香 本田望結 緒川たまき リリー・フランキー 松原智恵子 柄本明 大杉漣 柄本佑 安藤サクラ 高良健吾
2012年 日本
（20130213）
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