飛行機事故よりもアルコール依存の怖さの方が印象に残りました~
アルコールとドラッグの乱れた朝から始まる物語です。
離婚して妻と息子とは遠く離れた生活をしているウィップ・ウィトカー(デンゼル・ワシントン)は
航空会社勤務の機長なのですけど、今日もアルコール漬けの朝を迎えました。
同僚でCAの美しいカテリーナ(ナディーン・ヴェラスケス)も一緒です。
ベッドの上でジョークを言うウィップに彼女はもうすぐ二人でフライトでしょうと仕度を始めます。
ウィップも振らつく頭をクリアにさせようと、ドラッグを一気に吸い込みました。
足取りも微妙なまま機長席へと付いたウィップは、初めて組む副操縦士を不安にさせる行動を取りながらも
笑顔で定刻通りに出発しました。1時間ほどで到着する国内線の飛行です。
ウィップは悪天候で気流が乱れる中でも雲を読んで見事な飛行をし、
乗客たちに拍手を貰うくらい絶好調でした。
でも、こっそりジュースにジンを混ぜて飲んだ後、彼は自動操縦させている操縦席で眠りに落ちます。
そろそろ着陸時刻が近付いて来て、馴染みのベテランCAに起こされた時、
空港の管制室から指示が入りました。
そして、副操縦士がその指示通りに動かそうとした時、機体に異変が起きてしまいました(T_T)
それにしても、アルコールって怖いですね。
私は飲めない体質なのでアルコールの良さが解らず、よく人生の半分を損していると言われますけど、
きっと依存してしまいたくなるほど魅力的なのでしょうね^_^;
主人公のウィップは愛する妻や息子と別れた原因もアルコールなのに、どうしても辞められません。
それはもう、アルコールを辞めるか人生を辞めるかくらいの綱渡りです。
でも、本当に怖いのは本人がそれを自覚していないことです。
周りがどんなに彼を救おうとしてもアルコールを手放さず、
嘘をついて誤魔化せば何とか世の中は渡っていけると思っています。
そんな嘘は最終的には彼を追い詰めていきます。
そして、彼の心を打ち砕くほどの究極の選択へと向かって行きました。
デンゼル・ワシントンって最近、一癖のある役が多いですけど、この主人公も難しいキャラクターですね。
制服姿がカッコいいパイロットなのに中身はアルコール依存症って…と思いつつも、
彼が演じると説得力があるなあと思いました。
そして、それだけにプライド高い人が陥りやすい依存症の怖さがヒシヒシと伝わって来ました。
もちろん出だしの事故の映像の迫力も凄かったです。
観終った時、最後の最後にしか決断できなかった主人公を痛々しく思いつつも、
ラストの主人公の姿にほっとした1本です。
監督:ロバート・ゼメキス 出演:デンゼル・ワシントン ドン・チードル ケリー・ライリー ジョン・グッドマン ブルース・グリーンウッド メリッサ・レオ ブライアン・ジェラティ タマラ・チュニー ナディーン・ヴェラスケス
2012年 アメリカ 原題:FLIGHT
→
公式サイトはこちらへ http://www.flight-movie.jp/