三浦しをん著の同名小説を石井裕也監督が松田龍平主演で映画化したドラマです。
原作が大好きだったので、この物語をどのように映画化するのか楽しみにしていました。
辞書作りという未知の世界がとても面白く感じられるような作品になっていました。
辞書作りは本当に気の長い作業でした。
一つの辞書の企画が動いたところから始まる物語です。
出版社・玄武書房の別館には社内でもあまり知られていない“辞書編集部”がありました。
そこでは一つの別れが近付いていました。
辞書一筋で勤めてきた荒木(小林薫)がもうすぐ定年を迎えるのです。
でも、それは辞書編集部としては大きな不安でもありました。
編集チームの中心である松本(加藤剛)から後継者を懇願された荒木は、社内を探索し始めました。
キーワードは“右を説明する”で、目に付いた社員に質問をしていきます。
でも、答えられる人はいません。
理想の人を見つけるのは難しいと諦めかけていた時、変人とささやかれ営業部のお荷物となっている
馬締(松田龍平)の噂を聞きつけます。
そして、彼に右を説明させると、西を向いた時に北に当たる方向という答えを述べました。
それにしても、やっぱり面白い物語でした~
辞書がどれだけの作業と努力の賜物かということがスクリーンから感じられます。
しかも、とてつもなく地味な作業なのに、馬締くんがのめり込むととても面白くなっていくのです。
そして、言葉への愛が伝わって来ました。
また、この物語は恋の物語でもあります。
相手に言葉を伝えるのが苦手な馬締と、男の世界である板前になろうと必死に頑張っている
恋に不器用な香具矢(宮崎あおい)。
二人のもどかしいような恋の行方は、観ていると可愛くも感じて楽しかったです。
特にあっという間に恋に落ちた馬締の反応が何とも微笑ましくて、ちょっと笑ってしまいました。
そして、この二人の静かな佇まいが、絆というものの安心感を伝えてくれて素敵だなと思いました。
観終わった後に購入したパンフレットはちょっと高めですけどとても充実していました。
これは家に帰ったらじっくり読み返さなくてはと思った1本です。
監督:石井裕也 出演:松田龍平 宮崎あおい オダギリジョー 渡辺美佐子 池脇千鶴 黒木華 鶴見辰吾 八千草薫 小林薫 加藤剛
2013年 日本
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公式サイトはこちらへ http://fune-amu.com/