日常の日々から始まる物語です。
グイド(ルカ・マリネッリ)は空港近くのホテルで夜勤を担当しているフロント係です。
チェックアウトをする客室乗務員たちにからかわれたり、深夜に変な客に口説かれることもありますけど、
ちょっとコミュニケーションが上手くない彼にとって、夜勤の時間帯を担当できるのは性に合っていました。
彼が帰宅して朝ごはんを用意すると、アントニア(トニー)が起きる時間になります。
自由な心を持ちいつも自分に素直なアントニアの笑顔はグイドにとってはかけがえの無いものです。
そして楽しく愛し合うと、昼間に働くアントニアは遅刻だと慌てて仕事に出かけます。
二人はそんな生活に心から満足していました。
でも、同世代の人たちが結婚して子供を持っているのを見ると、そろそろ自分たちもと思い始めます。
ただし、6年も一緒に暮らしていていつも愛し合っているのに、全くそんな兆しがありません。
そして、不安になった二人は不妊治療を試みるようになっていきました。
それにしても、二人の姿や悩みがリアルですね。
子供が欲しいカップルにとってはとても深刻な問題を取り上げています。
検査から始まって原因がどちらにあるか、どんな治療をしたらいいかとどんどん進んで行きます。
でも、努力してもなかなか上手く行かず、アントニアから次第に笑顔が消えていきます。
また、過去にかなり放埓な生活をしてきたアントニアにとって、人との会話はちょっと不器用でも
自分とは頭の出来が違うグイドはちょっと気の引ける存在です。
弟からはアメリカの大学で講師の仕事をしないかと誘われるのも聞いています。
グイドはアメリカへ行く気などないのですけど、アントニアは自分の存在が
彼の将来の邪魔になると考えはじめてしまいます。
そして、二人の間には大きな亀裂が入って行きました。
それでも、不器用ながらも必死に愛へと進もうとするグイドのひたむきさにとっても惹かれました。
観終った時、運命の人って色々だなあとちょっと感じた1本です(^^ゞ
監督:パオロ・ヴィルズィ 出演:ルカ・マリネッリ トニー
2012年 イタリア 原題:Tutti i santi giorni
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