武術の世界で世代交代が起きようとしていた頃。
当時の第一人者である北の八掛拳の宗師・宝森は自分の限界を悟り、
南北流派統一にふさわしい継承者を求めていました。
そして、南の代表者として選ばれていた葉問(トニー・レオン)に目を付けます。
葉問がいくつかの挑戦を勝ち進んで、宝森との対決になった時、
彼は武術ではなくて思考の戦いを葉問に挑んできました。
そして、人格的にも素晴らしいことを証明した葉問に宝森は負けを認めました。
でも、宝森の娘・宮若梅(チャン・ツィイー)は父の負けが許せません。
父の遺志に反して、葉問にリベンジを仕掛けます。
互いに拮抗している力を持つ葉問と宮若梅は、ギリギリの戦いの中でお互いを認め合います。
しかし、そんな心の交流を引き裂くように、戦争が世界を壊していきました。
それにしても、独特の美しさを持つ作品でした。
特に予告編にもあった戦いのシーンの美しさは圧倒的ですね。
スローモーションが多用されていて、壮大な音楽と共にとても美しく映し出されていました。
また、実は戦いの物語というイメージを持っていたのですけど、観てみると大河ドラマのように
登場人物たちの人生を映し出していて、静けさを感じるシーンも多かったです。
しかも、登場人物たちの行き着く先がみんな寂しそうで、それは辛いなあと思いながら観ていました(-_-;
そして、その胸が痛くなるような展開は、時代に翻弄されたためなのか、
それとも武術に生きたためだろうかと考えさせられました。
映像も美しかったですけど、俳優陣も揃っていてみんなカッコ良かったです~
特にトニー・レオンの戦いのシーンは本当に美しくて、彼が苦労しただけはあるなあと実感しました。
チャン・ツィイーも可憐なのにとても強い女性がとても似合っていました。
そして、何と言っても二人が戦うシーンの迫力には圧倒されました。
観終った時、この映像はずっと頭に残っていそうだなあと思いつつ、
彼らの生き様に思いをめぐらせた1本です。
監督:ウォン・カーウァイ 出演:トニー・レオン チャン・ツィイー マックス・チャン ワン・チンシアン チャン・チェン
2012年 中国 原題:一代宗師/THE GRANDMASTER
(20130521)
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公式サイトはこちらへ http://grandmaster.gaga.ne.jp/