雨の日の出会いから始まる物語です。
高校生になったタカオ(入野自由)は、いつも焦燥感に囚われていました。
子供っぽい母親と歳の離れた兄と共に育った彼は、精神面では早くから大人になっていたのです。
そして、靴職人になりたいという異色の夢を抱いている彼にとって、
学校で過ごすことは違和感を覚える時間でしかありませんでした。
そんな彼は雨の日になると、ちょっと寄り道をします。
朝の新宿でJRから地下鉄に乗り換えずに歩き、人気の無い公園でひと時を過ごすのです。
母親の代わりに家事をしたり、独立のための資金を作るためにアルバイトに追われている彼にとって
無心に靴のことだけを考えられる1限目の遅刻はかけがえの無い時間でした。
そんなある日のこと。彼はいつもの休憩所で一人の女性と出会います。
スーツに実を包んだ彼女は朝からビールを片手にチョコレートを食べていて、彼は変な人だなと感じます。
でも、女性に何となく見覚えを感じた彼は、どこかで会ったことがあるかと問いかけます。
すぐに、いいえと答えた女性でしたけど、改めて彼の校章を見た彼女は、
もしかしたら会っているかもと答え、謎かけのように短歌を口ずさみました。
それにしても、本当に美しい作品ですね~
空の狭い都会の風景や緑の美しい庭園の風景には、その美しさにはっとさせられます。
日の光も雨も風も、みんなキラキラしています。
アニメだからこその美しさってあるのですね。
また、物語のキーになる少年の純粋な想いにも心を動かされました。
大人の女性への淡い想い。靴職人という夢への希望と願い。
そして、そこへ近付こうとする真っ直ぐな気持ち。
15歳の少年だからこその視線の強さがとても印象的でした。
エンドロールに流れていた曲が懐かしいなあと思っていたら、歌っている人は違いますけど
大江千里さんの「Rain」でした。
観終った時、やっぱり大きなスクリーンで観て良かったなあとしみじみ思った1本です。
監督:新海誠 声の出演:入野自由 花澤香菜 平野文 前田剛
2013年 日本
(20130608)
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公式サイトはこちらへ http://www.kotonohanoniwa.jp/追伸
映画の上映後に、ジブリの新作「風立ちぬ」の4分間の映像が流れました。
今回はかなりハードなストーリーになっていそうですね。
これは心して観なくてはと思いつつ、公開までまだまだあるなあと思ってしまいました(^^ゞ