何故、ランチョーは姿を消してしまったのかという謎に色々な社会問題が隠されていました。
飛び立つ飛行機の中で一人の男に電話がかかってくるところから始まる物語です。
その男ファラン(R・マドハヴァン)は電話を受けるなり、仮病を使って飛行機を止めて降りてしまいます。
そして、友人のラージュー(シャルマン・ジョシ)に電話をかけるとタクシーで彼の家へ駆けつけました。
実は彼らの親友ランチョー(アーミル・カーン)は10年前の卒業式の日に姿を消してしまいました。
彼は二人の人生を大きく変えて今の幸せをくれた大切な友人だったのです。
行方不明だった親友に10年ぶりに会えると連絡を受け、早速、二人は指定場所の大学へ向かいました。
でも、そこに居たのは、3人とは最も仲の悪かった同級生でした。
その同級生は二人に会った途端、自分の家の写真を見せながら現状を自慢し始めます。
なぜ、こんな連絡をして自慢を始めるのかと怒る二人に、彼は10年前の約束のことを話し始めます。
それは学生だった彼らが10年後の今日に会い、ランチョーと彼のどちらが勝っているか
勝負するという約束でした。
それにしても、本当にパワフルな作品でした~
しかも面白くて170分という長さも感じません!
現在のランチョー探しも面白いですけど、やっぱり10年前に遡った学生生活がいいですね。
ランチョーとファランとラージューがどんな学生生活を送ったのかを観るのは面白かったです。
物語は勉強や試験に苦労する学生ならではの生活や、それを乗り越えるお茶目な悪戯を映し出しながら、
時にはお得意の歌&踊りも入れて展開されていきます。
そのパワーには思わず飲み込まれてしまいました(^^)
ただし、楽しいだけでなく貧富の差や親の期待を背負う子供の苦しみなどの問題も伝えてくれます。
インドの若者の自殺がそれほど多いと言うことは知りませんでした。
勉強したくても出来ない子供がたくさんいることも改めて感じました。
また、ランチョーが同級生に仕掛けた悪戯の中で、学長の好きな“希望”という言葉を
別の言葉に代えてしまうシーンがあるのですけど、その言葉は昨今の社会問題を考えると
笑えないかもとちょっと思ってしまいました^_^;
ストーリーから言えば、ほとんど夢物語のファンタジーです。
終わりもほとんど予想はついてしまいますし(^^ゞ
でも、それは若者や若者だった人の誰もが観たくなる夢なのです。
そして、何と言ってもHAPPYに向かっていることが心地良かったです~
インド映画に付き物の歌&踊りは、時には遠慮したくなることもあるのですけど、
今作は青春物語だけあって、爽やかさを感じて素直に楽しめました。
観終った時、パワーをいっぱい貰った気分になった1本です。
監督:ラージクマール・ヒラニ 出演:アーミル・カーン カリーナ・カプール
2009年 インド 原題:3 Idiots
(20130623)
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