まさしく1920年代は狂乱の時代だなあと感じました。
ニック(トビー・マグワイア)がギャツビーとの思い出を語るところから始まる物語です。
ニックにはデイジー(キャリー・マリガン)という従姉妹がいました。
良家の娘らしく、大富豪の跡取りトム・ブキャナン(ジョエル・エドガートン)と結婚したデイジーは
それから5年後、浮気癖のある夫に振り回され、浮かない顔をしながら日々を過ごしていました。
その年のこと。ニックは証券会社で働くためにニューヨークに程近い高級住宅街へ引越して来ました。
ニックが住むことにした小さな家の隣には、宮殿のような豪邸がありました。
そこではいつも華やかなパーティーが開かれ、その度にN.Y中のセレブたちが集まっていました。
彼はふとした時に視線を感じるなど、豪邸から誰かが彼を見つめているように思えましたけど、
自分には関係のないと思いながらその感覚をやり過ごしていました。
そんなある日、豪邸の主人ギャツビーからニックへパーティーの招待状が届きました。
驚きながらもパーティーへ向かうと、そこは豪華さを極めた狂乱の世界が広がっています。
でも、ギャツビーに挨拶をしようとしても、誰も彼の顔を知りませんでした。
デイジーの友人でセレブのジョーダン・ベイカー(エリザベス・デビッキ)に出会ってほっとしますけど、
やはり彼女も本人に会ったことは無いと言いました。
戸惑いながらも雰囲気を楽しんでいると、二人に声をかけてくる人物がいます。
その朗らかで人を安心させるような笑顔を持つ男こそギャツビーでした。
それにしても、哀しいなあとしみじみ感じる作品でした~
貧しい家に生まれ、運命のように出会った大富豪に付いて世界を旅しながら品格を学び、
戦争から戻ってきた後に裏ビジネスで成功して、華やかな暮らしを見せびらかすようになります。
それは全て、過去に愛したデイジーを得るためです。
でも、彼女はとても心が弱く、その弱さがギャツビーを破滅へと向かわせます。
その残酷な運命には心が痛みました(T_T)
1920年代のアメリカの狂乱は、バブル前の日本みたいですね。
誰もが狂ったように幻のような喜びを謳歌する様子は、楽しさを通り越して不安を感じさせます。
歴史は繰り返すというけれど、こういう歴史もどこかで繰り返されていたのだなと改めて思いました。
そして、その終焉を知ることなく汚名と共に葬り去れたギャツビーの命は哀しすぎました。
それでも、バズ・ラーマン監督らしい作品全体を覆う美しさは印象に残りました。
観終った時、現実に戻れてちょっとほっとした1本です。
監督:バズ・ラーマン 出演:レオナルド・ディカプリオ トビー・マグワイア キャリー・マリガン ジョエル・エドガートン アイラ・フィッシャー ジェイソン・クラーク エリザベス・デビッキ
2012年 アメリカ 原題:THE GREAT GATSBY
(20130630)
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