ベルリンを舞台に北朝鮮諜報の世界と各国のスパイ合戦を描いたサスペンス・アクションです。
シリアスそうな予告編を観て、どんな物語が繰り広げられるのだろうと気になっていました。
非情と裏切りの世界の中で必死に生きようとする主人公の生き様がとても切なく感じるような作品でした。
こんな世界では誰もが不幸になっていく…と思いながらスクリーンを見つめていました(T_T)
武器の裏取引の現場から始まる物語です。
北朝鮮諜報員のピョ・ジョンソン(ハ・ジョンウ)は武器を密売するために、ホテルの一室にいました。
相手はロシアの武器ブローカーとアラブのテロ組織です。
また、その現場は密かに韓国の情報院が盗聴しており、北朝鮮諜報員の逮捕を狙っていました。
武器売買の話し合いは難航するものの、何とかアラブ人を納得させます。
でも、今にも契約を結ぼうとした瞬間、外から邪魔が入ってしまいます。
何故かモサドのエージェントがロシア人とアラブ人を捕らえるために踏み込んできたのです。
銃撃戦の中、辛くも逃げおおせたジョンソンでしたけど、
今回の契約の情報が、なぜ他国に漏れたのか不安に駆られます。
そして、その不安は通訳である妻リョン・ジョンヒ(チョン・ジヒョン)への疑惑へと繫がっていきました。
それにしても、出だしから緊張感溢れるサスペンス・アクションでした。
優秀な諜報員ジョンソンが起こした、めったに無い失敗。
それが何故起きたのかが分かるにつれて、背後に渦巻く陰謀の罠が見えてきます。
そんな誰も信じられる人がいなくなる世界の中で、主人公ジョンソンは希望を持とうとしていました。
でも、国のために必死になればなるほど、家族の絆は壊れていきます。
ジョンソンの妻・ジョンヒには夫ジョンソンに言えないことがありました。
その躊躇を敵の罠に利用されてしまうのです。
そして、ジョンソンとジョンヒがお互いの心のすれ違いに気付いた時、罠はすぐそこまで近付いていました。
“人は誰でも裏切る”という言葉がとても怖かったです。
観終った時、こんな連鎖がこれからも続いていくのだろうかと切なくなった1本です。
監督:リュ・スンワン 出演:ハ・ジョンウ ハン・ソッキュ リュ・スンボム チョン・ジヒョン イ・ギョンヨン
2013年 韓国 原題:THE BERLIN FILE
(20130714)
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公式サイトはこちらへ http://berlinfile.jp/