主人公マックスは世界を変える運命を背負ってしまいました。
ある朝、一人の男が仕事場である工場へ向かおうとしていました。
その男マックス(マット・デイモン)はただ工場へ行こうとしただけだったのですけど、
守衛に軽口でちょっと反抗的な態度を取ったために左腕を折られてしまいます。
でも、彼の怪我に工場主任は冷たく、仕事が出来ないならお前は必要ないぞというような態度です。
地球が汚染された世界では、一握りの富裕層が宇宙ステーション“エリジウム”に住み、
それ以外の者は替えのきく使い捨ての部品のように粗末な労働者として扱われています。
そんな世界の状況に反抗的なマックスは、きつい肉体労働を課せられる工場の中でも
主任から特に目をつけられていました。
翌日、マックスの担当する機械が動かなくなります。
主任はその危険な機械の中に入って直さなければ、彼を首にすると言い放ちます。
仕方なく直し始めたところ、機械はマックスを閉じ込めたまま動き始めてしまいます。
致死量の放射線を浴びて気を失ったマックスに、工場は余命5日と宣告して首にしてしまいました(T_T)
それにしても、近未来SFなのにリアルに感じる世界ですね。
「第9地区」もそうでしたけど、ロケを大切にする監督さんならではのリアリティなのかも知れません。
乾いた空気の乾いた人々の目。そして、その中でも必死に生きようとし、助け合おうとする心には
貧しいながらも心の豊かさと優しさを感じさせてくれます。
一方で天国のようなエリジウムに住む人々は人生を謳歌しながらも
人として何かが欠けているように感じてしまいます。
綺麗なだけでは、そして命の大切さを実感しないような世界では、
人は心が貧しくなってしまうのかも知れませんね。
特にエリジウムを実質的に治めているデラコートを演じたジョディ・フォスターがとても上手くて、
非情で憎ったらしい役にぴったりの冷たさで存在感をだしていました(^^ゞ
そして、何と言ってもマット・デイモンが良かったです~
自分の命のことしか考えていなかった主人公が、愛する人との再会によって
本当に自分のやるべきことは何かを考えていきます。
最後に重要な選択をした彼の姿は切なくも神々しく見えました。
シンプルなストーリーなのですけど、とても心に沁み入るような気がしました。
観終わった時、こんな貧富の差が現実にもあるのだろうなあと考えてしまった1本です。
監督:ニール・ブロムカンプ 出演:マット・デイモン ジョディ・フォスター シャールト・コプリー アリシー・ブラガ ディエゴ・ルナ ワグネル・モウラ ウィリアム・フィクトナー
2013年 アメリカ 原題:ELYSIUM
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公式サイトはこちらへ http://www.elysium-movie.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は9月20日以降の予定です。