ちょっと光の弱い曇り空がずっと続いていました。
4人の女性たちが集う物語です。
ジンコ(宮崎あおい)はただの友達と思っていた川田(風間俊介)から告白されます。
彼のことは嫌いではないのですけど、その想いをどう受け止めていいかちょっと戸惑ってしまいます。
その日は何となく微妙な雰囲気のまま別れました。
そんなふわりとした心を日常に置いていた中、ジンコに大学時代の友人・素子(安藤サクラ)から
連絡が入ります。
入院した友人を見舞いに行くために、素子が元夫から車を借りてくれたのです。
一泊二日で、ちょっと遠い病院までドライブをする予定でしたけど、自殺を図ったらしい友人と
どんな会話をしたら良いのか、素子は不安を隠せない様子でした。
翌朝、ジンコは駅で原木(忽那汐里)を見かけます。
彼女はジンコの職場である図書館で、自殺関連の本を探していた女性でした。
そして、原木のホームに立つ姿に、ジンコは思わず自殺を止めようと飛びついてしまいました。
でも、そのせいでジンコが手に怪我を負ってしまいます。
しかも、原木自身は別に自殺を考えてはいなかったことを知り、顔を見合わせて苦笑いするばかり。
ドライブ旅行を控えて、この手では運転に不安があるなと思案していたジンコに、
原木は自分は暇だからと運転手を買って出ます。
そして結局、女性3人で一泊二日の旅に出ることになりました。
それにしても、最初から最後まで風を感じるような不思議な作品ですね。
風とうす曇を背景に、死と不安感が微妙に入り混じっています。
自殺を図ったらしい友人ミキ(吹石一恵)や、原木の友人で突然に姿を消したキョウコ(韓英恵)など
見えない不安を感じさせる人物が彼女たちに影を落としています。
でも、はやり一緒にいれば、伝わってくるものがあるものです。
6年ぶりの突然の再会に戸惑っていたミキも、最後には笑顔を見せてくれるのです。
最初は“何で?”とつぶやいていたミキが、最後にはありがとうという言葉を言えるようになっていて
ちょっとほっとしました。
説明も台詞も少ないので、これは何だろうと思いながら進むところも多いのですけど、
雰囲気で伝わってくるものを受け止めていたら、何となく分かったような気になるところが面白かったです。
観終った時、何故か清々しい気分になった1本です。
監督:石川寛 出演:宮崎あおい 忽那汐里 安藤サクラ 吹石一恵 風間俊介 後藤まりこ 韓英恵 安藤政信
2013年 日本
(20130822)
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公式サイトはこちらへ http://www.petaldance.jp/