百田尚樹著のベストセラー小説を山崎貴監督&岡田准一主演で映画化した戦争ドラマです。
原作がとても良かったので、この物語をどのように映像にするのだろうと楽しみにしていました。
丁寧に主人公の心を追った展開に、静かに激しい時代の波に引き込まれていくような作品でした。
切なさに胸が締め付けられました(T_T)
祖母のお葬式から始まる物語です。
祖父(夏八木勲)が愛する人を失った悲しみに泣き崩れる中、
孫の健太郎(三浦春馬)はその悲しみを受け止められずにいました。
そんな時、母(風吹ジュン)と姉(吹石一恵)の交わす会話の中に、彼は信じられない話を聞きます。
自分と血の繫がった本当の祖父は、戦争で亡くなっていたというのです。
数日後、健太郎へ姉から本当の祖父“宮部久蔵”(岡田准一)の調査をしないかという誘いが入ります。
バイト代に惹かれて引き受けた調査で、姉弟は宮部を知る様々な人々にインタビューをして回り始めます。
でも、どの証言も“臆病者”“恥さらし”など、ネガティブなものばかりでした。
次第に調査がやりきれなくなって来た頃、二人は宮部の直属の部下だった井崎(橋爪功)と出会います。
彼の語る言葉から、宮部がなぜ死にたくないと思っていたのか、
宮部の言葉が井崎の人生をどのように変えたのかを知ることが出来ます。
それは、それまでの証言を一変させるような、本当の宮部の姿を伝えてくれる話でした。
それにしても、切ない物語ですね。原作を読んで内容を知っていても泣けてしまいます(T_T)
生きたいと願った若者たちの心を打ち砕く戦争という現実。
終戦間近になると、さらに大きな狂気が彼らを覆っていったことがじわじわと伝わってきます。
その怖さには改めてぞっとさせられました。
そして、どれだけ多くの若者が苦悩しながら死んでいったのか、
その死をどれだけ多くの家族が悲しんでいたのかを想う時、もう涙しかありませんでした。
主人公が背中で語る「かならず帰ってきます」という言葉がとても切なかったです。
観終った時、しばらく予告編を観るだけで泣けてきそうだなあと思った1本です。
監督:山崎貴 出演:岡田准一 三浦春馬 井上真央 濱田岳 新井浩文 染谷将太 三浦貴大 上田竜也 吹石一恵 田中泯 山本學 風吹ジュン 平幹二朗 橋爪功 夏八木勲
2013年 日本
(20131216)
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公式サイトはこちらへ http://www.eienno-zero.jp/index.html追伸
この映画は試写会で観ました。公開は12月21日以降の予定です。