それしかないという選択が辛かったです。
フィリップス船長が奥さんに送られて、家から空港へと向かうところから始まる物語です。
貨物船の会社に勤めるリチャード・フィリップス(トム・ハンクス)は長年真面目に勤め上げて、
今では船長になっていました。
年齢による体力の衰えや、年頃になって来た子供たちへの不安など心配は絶えませんけれど
船長としての責務を負うことを大切にしていました。
今回の荷物はアフリカへの援助物資などで、ソマリア沖の航路になっていました。
でも、ソマリア沖には海賊が頻発し始めていました。
村ぐるみで漁民たちが海賊行為を仕事にしていたのです。
フィリップス船長も今回の航路の危険性を認識し、設備の確認や緊急の対応訓練など準備をしていました。
ある日、フィリップス船長は2台のボートが高速で向かってくるのを発見しました。
海賊だろうかという不安と共に貨物船の速度を上げても、ボートはどんどん距離が近付いてきます。
そして、こちらが双眼鏡でボートを伺っていると、ボートも双眼鏡でこちらを伺っていました。
海賊だと確信したフィリップス船長の気転と、相手のボートのトラブルで今回は何とか難を逃れます。
でも、船員たちはみな、彼らは再び襲ってくるという予感を抱き始めていました。
それにしても、厳しい事件ですね(T_T)
生きるために海賊行為をしている男たち。
彼らの稼いだ金は、結局は仕切っている将軍の下に集まるだけで、彼らは貧しい生活をしています。
でも、彼らは大金を稼いで仲間から尊敬されることを胸に、誇り高くやり遂げようとします。
それが彼らを破滅へと導いてしまいます。
また、フィリップス船長は、巻き込まれて人質にされてしまいますけど、ヒーロー気質の人ではありません。
真面目に考察の出来る、船長と言う責任感を持って行動している普通の男です。
だからこそ、怪我をした若い海賊を心配し、海賊の船長とも心を通じ合わせようとします。
その善良さは相手も判るのですけど、時間の経過と共に、船長も海賊たちも追い詰められていきます。
その希望と絶望の間を揺れ動く姿に、観ている方の心も一緒になりながらスクリーンを見つめていました。
救助された後のフィリップス船長の姿に、思わず一緒に泣けてしまいました。
観終った時、SEALが要請された時に海賊たちの運命は決定したのだなと思うのと同時に
それでも海賊でしか生きていかれないのだろうかとため息をついた1本です。
監督:ポール・グリーングラス 出演:トム・ハンクス バーカッド・アブディ バーカッド・アブディラマン ファイサル・アメッド マハト・M・アリ マイケル・チャーナス コーリイ・ジョンソン マックス・マーティーニ クリス・マルケイ ユル・ヴァスケス
2013年 アメリカ 原題:CAPTAIN PHILLIPS
(20140109)
→
公式サイトはこちらへ http://www.captainphillips.jp/