こんな罠になら落ちてしまうだろうなあと最後までドキドキしてしまいました(-_-;)
地味な国語教師の日常風景から始まる物語です。
やる気の無い生徒たちを前に、仕事に楽しさを感じられない毎日を送っている
ジェルマン(ファブリス・ルキーニ)は、宿題の作文の中に気になるものを見つけます。
書いたのは少し前に転校してきたクロード(エルンスト・ウンハウアー)でした。
クロードに文才を認めたジェルマンは、放課後に少年への個人教授を始めます。
毎回、彼の提出した宿題にコメントを述べたり、文章の構成を教えたりするのです。
クロードも乗り気でいつも宿題をきちんと提出していましたが、その内容が同級生の家族の話題になると、
ジェルマンは続きが読みたくてたまらなくなってしまいます。
そして、続きを求めるあまり、次第にクロードの望みを叶えるようになっていきました。
それにしても、クロードの魅力は怖かったです。
美しくて賢くて魅力的なのですけど、どことなく孤独な影を感じる少年です。
そんな少年の冷静な視線で描く同級生一家は、家族なら誰もが持っているような悩みを抱える
普通の家族にみえます。
でも、その生活に踏み込むクロードの視線はとても深くて、他人の生活を覗き見たいという
誰もが持ってしまいそうな欲望を掻き立てるものでした。
ジェルマンはそんな欲望の罠に陥ってしまいます。
その姿は愚かだなあと思う反面とても人間らしくて、誰もが同じ道を歩んでしまうかもと思えるものでした(-_-)
そして、何と言ってもクロードを演じたエルンスト・ウンハウワーが良かったです~
あの魅力は、関わる人たちの誰もがクロードを悪く言わないのも分かるなあと思えるほどです。
そんな笑顔と鋭さを感じさせる視線を持つ彼が演じたからこそのキャラクターだなと感じました(^^ゞ
ラストの何とも言えないぞわっとした感じが印象に残りました。
観終わった時、この後が気になる!と思った1本です。
監督:フランソワ・オゾン 出演:ファブリス・ルキーニ クリスティン・スコット・トーマス エマニュエル・セニエ エルンスト・ウンハウワー
2012年 フランス 原題:DANS LA MAISON/IN THE HOUSE
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