音がとても心地良かったです~
少年が実家を離れて都会の大学へと入学するところから始まる物語です。
農業を営む家に生まれたユィシアン(ホアン・ユィシアン)は生まれつき目が見えませんでしたが、
ピアノに秀でた才能を発揮していました。
彼はその才能を生かすべく、大学への進学を決心します。
大学寮に入るとはいえ、慣れない土地での初めての一人暮らしに母(リー・リエ)は不安を隠せません。
与えられた部屋を整理し、日常品のある場所や道順を教えられるのは2日間だけ。
しかも、大学側としても視覚障害者の生徒は初めてです。
同級生の生徒たちも含めて、目の見えない彼を受け入れることには慣れていませんでした。
そんなある日、ユィシアンは街で同年代のシャオジエ(サンドリーナ・ピンナ)と出会います。
彼女は母親が病的な浪費家で、家計を助けるためにバイト生活を強いられています。
夢はダンサーでしたが、その夢も半分諦めかけてながら日々を送っていました。
でも、ユィシアンの純真な言葉に心を動かされた彼女は、自分もダンスへの夢を追い始めます。
そして彼女の行動は、目が見えない為に心に傷を負っていたユィシアンにも勇気を与えていきました。
それにしても、心優しい物語ですね。
ストーリーはとてもシンプルですけど、心へ真っ直ぐに響くような作品でした。
ボーイミーツガールの展開で、でもそれが恋では無くて夢へと向かっていくところが可愛いです(^^ゞ
また、全編に流れる音楽がとても美しかったです。
このピアノの音が劇場の音響で聴けただけでも、観て良かったなあと思いました。
逆に、時々登場する音楽の無いシーンは生活の中に流れている音がとても印象的に使われていて
面白いなあと思いながら耳を澄ませていました。
そして、何と言ってもホアン・ユィシアンが良かったです~
戸惑いも不安も、そして喜びもダイレクトに表情がスクリーンに映し出されていて、
目の見えない人にとって、表情は本当に心のままに現れるのだなと改めて感じました。
また、サンドリーナ・ピンナの美しさも、ダンスの美しさと共に際立って見えました。
タイトルは「光にふれる」ですけど、観る者にとっては音にふれる体験をしたような気になる
作品だなと感じました。
観終わった時、ふと街の音をじっくりと聴いてみたくなった1本です。
監督:チャン・ロンジー 出演:ホアン・ユィシアン サンドリーナ・ピンナ リー・リエ シュウ・ファンイー
2012年 台湾/香港/中国 原題:逆光飛翔/TOUCH OF THE LIGHT
(20140219)
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公式サイトはこちらへ http://hikari-fureru.jp/