オクラホマ州オーセージ郡は心を平穏にさせないほど暑い平地なのですね…と思いながら観ていました(-_-;)
父ベバリー(サム・シェパード)の独白から始まる物語です。
結婚して50年近くが過ぎ、子供たちは独立して夫婦二人暮らしのベバリーは人生に疲れていました。
これまで自分は酒が手放せない人生を、妻バイオレット(メリル・ストリープ)は
薬が欠かせない人生を過ごしています。
そこはお互いに不文律でしたけど、最近に癌を患い始めて薬に溺れがちの妻は、
もはやほとんど家事が出来なくなっていました。
そこで彼は料理が上手くて良く働くネイティブアメリカンのジョナ(ミスティ・アップハム)を
住み込みの家政婦として雇うことにしました。
もともと毒舌家の妻バイオレットが薬でさらに性格を悪くして、初対面のジョナに毒を吐きますけど、
常軌を逸しているような言動に、癌を患っていてその薬のせいだからと説明すると彼女も納得します。
そんなジョナの様子に安心しながら、ベバリーは彼女に
お気に入りの作家の本を仕事とは別に読みなさいと手渡しました。
そして、数日後、彼は突然に行方をくらましてしまいました(T_T)
それにしても、今回のメリル・ストリープはまたもの凄いですね~
彼女の演じるバイオレットが登場した時の衝撃と、彼女が全てを明かした時の衝撃にやられました。
これはしばらく忘れられなくなりそうです。
また、ベバリーの失踪でバイオレットのために集まる家族たちもいろいろ事情ありの人々です。
特に、娘たち3姉妹はそれぞれ性格が違うのですけど、誰もが恋愛に失敗しているようです。
でも、自分を失くさないところは、やはりこの女性たちは心が強いのでしょうね。
その分、ベバリーをはじめとする男たちが何と辛抱強いのだろうとしみじみ思ってしまいました。
そして、ベバリーの心が折れた時に、すでにこの一家は崩壊していたのだなと改めて感じました。
ブラックコメディというよりはコメディ抜きのブラックさでしたけど、俳優陣の演技に魅せられました。
観終わった時、とげのある素直さって本当に痛いなあと思うのと同時に、
自分の欲望を前面に押し出した時、人間関係は終わるのねと感じた1本です。
監督:ジョン・ウェルズ 出演:メリル・ストリープ ジュリア・ロバーツ ユアン・マクレガー クリス・クーパー アビゲイル・ブレスリン ベネディクト・カンバーバッチ ジュリエット・ルイス マーゴ・マーティンデイル ダーモット・マローニー ジュリアンヌ・ニコルソン サム・シェパード ミスティ・アップハム
2013年 アメリカ 原題:AUGUST: OSAGE COUNTY
(20140724)
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公式サイトはこちらへ http://august.asmik-ace.co.jp/