行き場の無い想いの解放は、そこしか無かったのですかと哀しくなってしまいました(T_T)
ペンシルバニアの田舎町を舞台にした物語です。
その町では産業といえば製鉄所です。
町の男たちはみんなそこで働き、暮らしを立てていました。
主人公のラッセル・ベイズ(クリスチャン・ベール)も製鉄所の従業員で、毎日きつい労働をしていました。
でも、彼の弟ロドニー(ケイシー・アフレック)は製鉄所で働くことを嫌がっていました。
今、父が病床にあるのも、そこで働いていた後遺症だと言って、勧めても首を横に振るばかり。
未来を感じられない製鉄所の仕事は、兵役でイラクへ4度も赴任した彼には耐えられないものでした。
働き口を探せないロドニーは賭けに溺れ、借金を背負っていました。
でも、彼には賭けに当たるしか返す充てはありません。
そんな弟を見かねたラッセルは、飲み屋の奥に事務所を持つ金貸しのジョン・ペティ(ウィレム・デフォー)に、
これ以上は弟に金を貸さないようにと借金の肩代わりをすることで話をつけました。
そして、飲み屋でグラスの酒を飲み干した後に帰途に着いた彼は、交通事故を起こしてしまいました(T_T)
それにしても、とてつもなく重かったです~
先日に見た「プロミスト・ランド」の隣町のような場所で起きる物語です。
「プロミスト・ランド」は農業が主体の美しい町の物語で、厳しいながらも未来を信じたくなるような話です。
でも、「ファーナス」は鉄鋼所が主体で、しかもそのうち閉じられるかもという話も出ています。
仕事自体も身体に悪そうで、未来への希望など全く感じられない状況です。
しかも、不幸な交通事故を起こしたラッセルは刑務所に入ることになります。
でも、刑期を終えても、病床にあった父は亡くなり、恋人は去っています。
残っているのは鉄鋼所での仕事だけです。
そんな中、彼にはもっと哀しい出来事が襲います。
もう、ラッセルには、それからの狂気に駆られるように復讐へと走ることしか出来ませんでした。
また、豪華キャストの競演は見応えがありました。
誰もみな良かったのですけど、特に極悪人ハーランを演じたウッディ・ハレルソンの存在感は凄かったです。
彼に運命を狂わされるロドニーの運命がとても哀しかったです。
それだけに、ラッセルの行動と最後の表情にはため息しか出ませんでした。
観終った時、めちゃくちゃハードボイルドだったなあとしみじみと思った1本です。
監督:スコット・クーパー 出演:クリスチャン・ベール ウッディ・ハレルソン ケイシー・アフレック フォレスト・ウィテカー ウィレム・デフォー ゾーイ・サルダナ ム・シェパード
2013年 アメリカ 原題:OUT OF THE FURNACE
(20141005)
→公
式サイトはこちらへ http://furnace-movie.jp/