面白い野球は人種を超えるのだなあと思いながら、ずっと心の中で応援していました。
カナダで働く日系二世たちは常に過酷な労働と差別に苦しみながらも必死に働いていました。
最初に移民が渡った時から厳しかったですけど、第二次世界大戦が始まるとさらに辛い日々になります。
そんな日本人たちの楽しみは、自分たちの野球チーム“バンクーバー朝日”を応援することでした。
バンクーバー朝日は日系二世の若者が集まって作られたアマチュアチームで、
昼間は過酷な肉体労働をし、仕事を終えてから練習をするような野球好きが集まったチームです。
今年こそはリーグ優勝を目指すと頑張っているのですけど、いつも負けてしまいます。
カナダ人との体格差は歴然としていてパワーで劣るため、歴代の対戦成績もひどいものでした。
ある日、レジー笠原(妻夫木聡)は試合中に、敵の選手たちの間にバントが出来そうな隙間を見つけます。
思い切ってセーフティバントをした彼は、必死に走った甲斐もあって出塁できました。
そのまま、彼は二塁・三塁と続けて盗塁し、ゴロの間にホームインします。
応援席も相手チームも、1本のヒットも無くて点が取れたと驚くばかりです。
そして、この手法を全員で行い始めたバンクーバー朝日は、連勝をし始めました。
それにしても、心に残る作品でした。
これだけ必死に働いているのに、戦争が全てを奪ってしまいます。
その結果は変わらないのですけど、バンクーバー朝日が活躍したという事実にちょっと感動でした。
しかも、クレバーで面白いと、カナダ人の野球好きたちにも受け入れられるようなチームになったのです。
監督さんが本物にこだわったらしい野球シーンを観ていると、誰もが応援したくなるようなこのチームの
野球の面白さが真っ直ぐに伝わって来ました。
また、何と言ってもキャストが豪華でした~
野球チームの青年たちも、彼らを取り巻く人々も、本当に隙無く豪華です。
特に今回の俳優陣はみんな野球が上手くて、実際の試合のシーンにもちゃんと出場していました。
そして、そんな彼らが野球への愛と、生きていくための希望の大切さを教えてくれました。
この映画でもありましたけど、2003年にバンクーバー朝日がカナダ野球殿堂入りを果しました。
きっと多くの人に愛されたチームだったのですね。
長年、愛されるこのチームの勇姿を、この場で見られて良かった~と感じた1本です。
監督:石井裕也 出演:妻夫木聡 亀梨和也 勝地涼 上地雄輔 池松壮亮 高畑充希 宮崎あおい 貫地谷しほり 石田えり 本上まなみ 佐藤浩市
2014年 日本
(20141015)
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公式サイトはこちらへ http://www.vancouver-asahi.jp/追伸
この映画はジャパンプレミアで観ました。公開は12月20日以降の予定です。