悩みながら生きているからこそ、この子供たちには幸せになって欲しいなあと願っていました。
髪の長い女性がフェリーに乗って島へ帰郷するところから始まる物語です。
中学3年生の仲村ナズナ(恒松祐里)は電話で同級生と合唱コンクールの課題曲で盛り上がっていました。
でも、今日から新学期です。慌てて家を出た彼女は、いつも立ち寄っている教会へ行きました。
そこには先客でフェリーに乗っていた女性が座っていました。
見知らぬ人物に興味を持ったナズナは、教会で静かに像を見上げている女性をこっそりと見つめます。
やがて静かに席を立った女性にナズナは挨拶をしましたけど、
その女性は彼女に見向きもしないで教会を出て行きました。
挨拶を返してくれない女性の態度に顔をしかめたナズナも、間も無く学校へと向かいました。
体育館で行われた始業式の中で、産休に入った松山ハルコ先生(木村文乃)の代理教師が紹介されます。
音楽の代理教師として来たその人は、ナズナが教会で見かけた女性でした。
そして、東京から帰郷してきた柏木ユリ(新垣結衣)の美しさに学校中が沸き立ちました。
でも、彼女の挨拶はとてもそっけないものでした(-_-)
それにしても、心に沁みる作品ですね。
ピアノを弾けなくなったピアニストと合唱の練習を頑張る生徒たちの出会いは、
お互いの心に傷を見つめ直して人生を立て直すきっかけになっていきます。
その心の傷はとても深いものですし、他人にどうこう出来るものではありません。
自分の人生は自分で何とかするしかないのです。
それでも、合唱の中で培った絆は心を強くしてくれます。
例え、最後は一人で立ち上がらなくてはならなくても、傍には仲間がいてくれる。
そういう支えが子供たちの人生を豊かにしてくれるのだなと感じました。
そして、15年後の子供たちの幸せな生活が見えるようでした。
観終わった時、やっぱりアンジェラ・アキの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」はいい歌だなあとしみじみ思った1本です。
監督:三木孝浩 出演:新垣結衣 木村文乃 桐谷健太 恒松祐里 下田翔大 葵わかな 柴田杏花 山口まゆ 佐野勇斗 眞島秀和 木村多江 小木茂光
2014年 日本
(20150309)
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