頑張れ先生!と思いながら観ていました~
小さな地域の中で起きている社会問題が少しずつ交差していく物語です。
先生1年目の岡野(高良健吾)は小学4年のクラスを担任する教師です。
でも、子供たちは扱いにくいというのが本音で、騒いでいる子供たちを抑えるのは大変でした。
岡野は小学校の通学路沿いにある家々に謝罪をして回っていました。
小学校の生徒がピンポンダッシュのいたずらをしていたらしいのです。
でも、彼が謝罪に行ったある家は高齢者の女性が一人で暮らしており、子供たちのいたずらを
全く気にしないばかりか、6月なのに桜の花びらが飛んできたと言って、彼を戸惑わせました。
夫が単身赴任中の雅美(尾野真千子)は幼い娘あやねと近所の公園へ遊びに来ました。
子供が遊んでいる間は同じ年齢の子供を持つママ友たちと会話をしなければなりません。
でも、雅美はその場にいることに居心地の悪さを感じていました。
実は彼女には腕時計で隠さなくてはならないようなタバコの火傷の跡が残っていました。
そして、自分も子供が言うことを聞かなかったり失敗をすると、つい手を上げてしまうのです。
彼女は折檻に罪悪感を持ちつつも止められない自分を抱えながら、孤独に耐えていました。
それにしても、生きていくことはやっぱり大変ですね。
教師という仕事に悩む新米教師や子供に辛く当たってしまう母親以外にも、
認知症っぽいかもと自覚した一人暮らしの高齢者や知的障害者の子供を抱えるシングルマザー、
親から虐待を受けているのではないかと思われる児童など、様々な人が登場します。
そんな彼らに少しでも希望の持てるような物語になっていてほっとしました。
一見、普通に暮らしているように見えても、みんな様々な悩みを抱えていたりします。
でも、誰も相談する人がいないと、解決する道が見えてきません。
辛さを抱えている人に手を差し伸べられるような心を誰もが持っていたら、
きっと優しい世界になるのだけどなあとしみじみと思った1本です。
監督:呉美保 出演:高良健吾 尾野真千子 池脇千鶴 高橋和也 喜多道枝 黒川芽以 内田慈 松嶋亮太 加部亜門 富田靖子
2015年 日本
(20150227)
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